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マキ様と百目鬼さん③
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百目鬼さんとイチャイチャする妄想を膨らませてる僕を、百目鬼さんは冷たく見下ろし、不機嫌に答えた。
百目鬼「明日は、なるべく日付が変わる前に帰る」
25日のクリスマス、日付が変わる前にって事は、夜中って事か…
じゃ、その時にケーキ食べたりプレゼントの手紙渡したりすれば…
百目鬼「お前は、杏子と一緒に菫の店でやるクリスマス会に行ってていいぞ、帰る時連絡する」
…えっ…
あっ、…そっか…
菫さんは、大柄で青髭濃い着物美人のオカマさん。
〝菫ママ〟って呼ばれてみんなから慕われてる。
菫ママがやってるオカマスナック菫、そこには、沢山の青髭の目立つ乙女なレディーたちが務めるてる。
百目鬼事務所は菫ママと仲良しさんだから、毎年イベントに呼ばれて強制参加。
そういえば去年も、みんなで過ごしたっけ…。
僕、勝手に二人っきりで過ごす妄想しかしてなかった。
百目鬼さんとケーキ食べて、百目鬼さんを食べちゃうことしか考えてなかった。こりゃ失敗。
付き合ってから、初めてのクリスマス。
だから、かな、なんか色々張り切りすぎちゃった…。
マキ「うん♪、分かった♪」
百目鬼さんは、僕が一人でおうちに留守番するのが心配で、寂しくないようにそう言ってくれてるんだ。
百目鬼「…お前、間違っても酒飲むなよ」
マキ「うふふ♪やだなぁ、飲まないよ♪」
百目鬼「お前は酔うと手がつけられない、絶対禁止だからな」
マキ「うん♪」
心配性な百目鬼さんは、杏子さんにまで念押ししてた。もぉ、信用ないなぁ。
百目鬼「マキ、俺がいなくてもちゃんと頭乾かせよ、髪が痛んじまうぞ。飯もちゃんと食えよ、冷蔵庫にストック沢山作っといたからか、好きなの食え」
百目鬼さんは心配性で、世話焼きで料理上手。
マキ「わーい♪ハンバーグもある?」
百目鬼「あぁ、今回は煮込みハンバーグだ」
マキ「わーい♪」
百目鬼「ッ、悪いな、…、終わったら好きなものの作りたて食わしてやるから」
百目鬼さんの大きな手が、僕の頭をガシガシ撫でる。奏一さんのふわりと優しいのと違う。寂しい思いさせてすまないとか、優しくしたいとか、そんな気持ちが入り混じってる複雑で不器用な撫で方。
マキ「ふふ♪楽しみにしてるね♪」
ほら、百目鬼さんが困った顔してる。
心配性な百目鬼さんは、色々思ってるのに、いつも言葉にできないで眉間にしわを寄せる。
僕とのクリスマスだってきっとなんか色々考えてた…、だけど仕事が忙しいから、この選択が一番いいだろうって考えてくれたんだと思う…。
ほら、可愛い、困ったその顔、抱きしめていっぱい甘やかしてあげたいのに…。
マキ「百目鬼さん、いってらっしゃいのチューしてもいい?」
百目鬼「はアッ!?ふざけんな!!」
百目鬼さんが大きな声出すから、杏子さんと檸檬さんと矢田さんがこっちを見た。
慌てふためく百目鬼さんは、僕の頭をガッチリ掴んで事務所から出てドアを閉め、彼らの視線を遮断した。
百目鬼「馬鹿か貴様は!」
マキ「えー、いつも僕が大学行く時してくれるじゃん、だからそのお返し♪」
百目鬼「いらん!仕事の邪魔だ!」
百目鬼さんの顔が益々怖い顔して、三階の自宅を指差し僕を追い払おうとしてたけど…
僕には照れてる神さんが可愛くて可愛くて仕方ない。
マキ「キスくらい良いじゃん♪」
百目鬼「お前は馬鹿なのか!、とにかく帰れ!」
ちぇー、せっかく神さんを補給しようと思ったのに…
いいもんいいもん百目鬼さんの服をオカズに我慢するもん。家で大人しくしてよーっと。
口を尖らせていじけてたら、また、百目鬼さんが困った顔して悩んでる。
百目鬼「ッ…、…、ッ…、マキ…」
マキ「ん?」
百目鬼「ッ…、その…、悪い」
あぁ、困らせたいわけじゃない。
分かってるから…
寂しくないから
僕は良い子に留守番するから…
マキ「んふふ♪チューしてくれるの?」
かわい子ぶりっ子で唇を寄せる。
困り顔だった百目鬼さんの顔が、背後の事務所を気にして怒った顔に変わる。
こんなところでって、みんなに見られたらどうすんだって怒り出す。もぉ、恥ずかしがり屋さんなんだからぁ♪
百目鬼「するか!!馬鹿がッ!!」
言い方は乱暴だけど、これは照れてるだけ。
顔は怒ってるけど、これは恥ずかしいだけ。
だって仕事場で恋人にキスしたいって言われて、分かったってしてくれる人なんかそういない。
百目鬼「…ッ!!…あぁーもー!…違う!」
ありゃ、眉間のシワMaxの百目鬼さんが吠え出した。
〝我儘言っちゃったから〟困らせちゃったんだ…。
百目鬼「お前はそうやって、話を逸らさせるな!」
マキ「ん?」
クリスマス一緒に居られないことを言ってるって分かってた。僕はちゃんと知ってる。百目鬼さんが時間を作れないか何とかしてたことも、今回の冷蔵庫の中身がクリスマス仕様で豪華なことも。
ちゃんと謝って優しくしてくれようとしてるのも、でも、謝るくらいなら、キスして欲しかった。
〝そんな我儘言ったら百目鬼さんを困らせる〟だけなのに…
百目鬼「コレやるから、家で大人しくしてろ」
そう言って困り顔の百目鬼さんが僕に手渡したのは、クリスマスの包装がしてある、可愛い箱。
マキ「え?」
百目鬼「ほら、上に戻ってろ」
何これ、クリスマスプレゼント?
神さんが、僕に?
僕…まだ手紙書き終わってないのに…
僕にプレゼントなら嬉しい…
うれしいけど、今これをくれるって事は明日も百目鬼さんが僕とクリスマス会する時間はないって事だ…
明日帰る時日付が変わる前には帰りたいって言ってたけど…、間に合わないかもしれないから今渡すって事だよね?
僕は、別に26でも、27になっても過ぎてても気にしないのに、百目鬼さんとのクリスマス会…
プレゼントは嬉しい…
でも…
マキ「あの…」
百目鬼「うっさい、お前へのクリスマスプレゼントだ。他の奴らに見つかると面倒だから上で開けろ」
ぶっきらぼうに言った百目鬼さんの耳が、あっという間に真っ赤になった。
僕を睨むみたいに早く三階へ行けって言いながら、ソワソワ背後の事務所を気にしながら、彼の耳は恥ずかしさで真っ赤になっちゃってた。
うはっ♪、ウケる、何て可愛いんだろう。
ほら、神さんは可愛い。
神さんは、きっと悩みに悩んで僕にクリスマスプレゼントを用意してくれたんだ、僕が奏一さんにプレゼント選んで似合うか心配でドキドキソワソワした時の数百倍。
僕に似合うか、僕が喜ぶか、スッゴイ怖い顔で商品をを睨みながら選んでくれたんだ。
マキ「…、えへ、えへへぇ、神さんありがとう♪大好き♪♪」
思わず、事務所の前だけどキスしたら
怒られちゃいました。
ふふ♪
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