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俺たちの始まりは【華南】8
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真冬に外で立ち話も悪いから、マキと駅前のファミレスに入った。
マキがホワイトライオンなんか抱えてるから、周りにめっちゃ見られたし、周りは絶対マキを女の子だと思ってるに違いない。
マキ「で?♪。華南君は何を悩んでるのかな?」
可愛子ぶりっ子で首をかしげるマキは、可愛い顔して人の悩みを見透かす。最近は益々可愛らしく子供っぽい仕草が増えて、前の妖艶で近づきがたいイメージから親しみやすい構いたくなる様な少女みたいな表情が増えた。ただ、隠しきれないエロい色気は漂ってるがな…。
こんなのが恋人だったら毎日毎時間襲いたくなるだろうし、周りの悪い虫も黙ってない。しかもマキ自身は負けん気が強く、襲われてもへっちゃらだと危険視しないし、可愛いだけじゃなくて頭が良くて観察力も半端ない、守ってるつもりがこっちの痛みに敏感だから、守るどころか慰められちまう。そうなったら、こっちはマキに与えられてばかりで貪ってばっかで百目鬼さん、男として立場がねぇーだろうな…
マキほどじゃないが、修二も似たようなもんだ。
甘えないのに人のことは甘やかして、健気で色っぽくて、ついつい襲っちまって…、俺がやる事に一切文句も言わないし、何かして欲しいとも言わない…。
修二もマキも、本音は簡単に教えてくれないくせに、人の欲しいものばかり見透かして与える…。
華南「百目鬼さんも大変だよな、恋人がお前で」
マキ「…んふふ♪」
思わず漏れた俺の言葉に、マキが笑みを増した。
最近は百目鬼さんのお陰で子供みたいな素直な笑い方が多かったマキが久々にヘラッと笑みを深めたから、違和感を覚えて気がついた。
あっ、今の誤解させたかも…って
華南「マキが可愛すぎておちおち仕事も出来ないだろうにって意味だぜ」
マキ「ふえ?」
やっぱり誤解してやがった…
マキは人の心を見透かすくせに、百目鬼さんに好かれてる自信がないのか、百目鬼さんが絡むと途端に鈍くなる。
恋人に好かれてる自信がない所まで修二そっくり。
まぁ、修二は今じゃ結構俺とむつを信じてると思うが…。マキのところはまだまだ複雑だろうな。
ってかマキの表情は結構分かるようになったのにな…
華南「そこでキョトンとするな。益々百目鬼さんが大変だわ。あの狂愛者の百目鬼さんが相手なんだぞ、マキはもう少し愛されてる自信持てよ」
マキ「……、あはっ♪、最後の言葉はそっくりそのまま華南に返してあげる♪『愛されてる自信持てよ』♪」
ニッコリ笑顔で返して来やがって…
華南「自信はあるさ。ただ…」
マキ「ただ?」
華南「…」
マキ「何々?男でしょ、はっきり言いなさいな」
自信が無いわけじゃない…
華南「…して欲しいなって…」
マキ「え?…何を?」
華南「…しっ…と…とか…して欲しいなって」
マキ「へ?」
マキがホワイトライオンを抱っこしたまま俺の顔を覗き込むように首をかしげてキョトンと可愛く呆れ顔。
華南「…だから、前言ったろ、大したことじゃないって」
マキ「……んー。…修二がむつばっかに甘いからとか、むつが修二にばっかべったりだとか、2人が可愛くてエッチした過ぎるとか、最近仕事が大変で2人とイチャイチャ出来なすぎて撫でくりまわしたいけどイチャイチャし過ぎるとエッチばっかになっちゃって修二が心配とかじゃなくて?」
全バレッッ!!!
マキ様えげつない!!
華南「…お前、人の心をハッキングし過ぎ…」
マキ「にゃは♪、ハッキングなんかしてないよ♪待ち受け画面になってたから構って欲しいのかと思って♪♪」
華南「…待ち受けって…、俺そんな顔に出てたか?」
マキ「あは♪、割と出てたよ♪、さっきアルバム見てる時、むつへの始まり聞いたらすっごい困った顔して修二の事チラ見してたのとか♪」
華南「マキ…、お前怖すぎ」
マキ「そぉお?、修二も気づいてたよ」
ッ!?
修二が!?俺そんなやらかしてた?
華南「…修二の目が…曇るってやつか?」
マキ「違うよ♪華南のこと心配してるって感じ♪」
…心配させたいわけじゃない…
マキ「なぁに?華南は修二に嫉妬して欲しいの?むつみたいに甘やかして欲しいんじゃなくて?」
華南「…っていうか…、嫉妬…とも違うというか、そうだというべきか…、いや、今の状態に不満とかじゃなくて…むつのこともそうだけど…、むつみたいになって欲しいっつーか…」
マキ「あぁ、もっと感情的になって欲しいの?」
華南「うっ…、そ…んな…感じ…」
マキ「ふーん、修二の取り乱した姿が見たいけど泣かせたくはないなぁ的な?」
あっさり何でも解答欄を埋めちまうマキ。
俺はずっと計算のところでうだうだしてたっつーのに。
マキ「にゃは♪それで僕には百目鬼さんに素直に甘えろとか言っちゃってぇー、自分が甘えたいし甘やかしてヨシヨシして欲しかったんでしょー♪」
華南「…マキは、百目鬼さんと付き合ってスッゲー変わったじゃんか。…色々顔に出るようになったし、笑ったり泣き虫になったり…」
マキ「泣き虫って言わないでよぉー」
ムスッとほっぺを膨らますマキ、これも百目鬼さんと付き合ってから増えた表情だ。
本当にマキは…
華南「可愛くなった」
マキ「やん♪元から可愛いでしょ♪」
華南「スッゲー可愛くなった」
マキ「///」
ほら、前はそんな風に照れた顔なんかしなかった。ニッコリ笑ってスルーしてた。
華南「百目鬼さんのことスッゲー好きだって全身で表してるし、色々改善されてっし」
マキ「改善?」
赤らんだ顔のマキがキョトンと質問してくる。
本当に、幼い可愛らしい表情が増えた。
華南「フッ。2番目じゃ嫌だって言うようになった」
マキ「…ッ、そ、それは…」
華南「何でも受け流してたのに、嫉妬したり、寂しがって拗ねたり、我儘かなぁとか言いながら全然我儘じゃねぇことで悩んだり、スッゲービビリだし泣き虫」
マキ「ッちょっ!華南!」
華南「羨ましいなぁーって思うよ。そんな風にマキを変える百目鬼さんも、気持ちの変化が起こってそれにアタフタするマキも」
俺のこんな言葉で、あの魔性マキ様と言われた奴が顔を赤らめてぬいぐるみで顔を隠して俺を睨むとか…。
華南「百目鬼さんはビックリする程不器用過ぎだけど、ちゃんとマキを大事にしてて、大事にしてるけど、やるべき事はやってるっつーか、マキの壁ぶっ壊せてるっつーか。守ろうと上手くいかないってもがいてても、ちゃんとマキを笑わせられてっし。守るべきだけど、悪いところはちゃんと悪いって叱ってマキのヘラヘラ誤魔化す鉄壁のガードぶっ壊しに行くのすげーなって思うし、まぁ、ちょいちょい失敗はしてるみたいだけど…」
マキ「…」
華南「マキを傷つけるのは嫌だけど、見てるだけで変えられないはもっと嫌だって果敢に突っ込んでってるし、そうゆうところ、むつと同じだなって感心する。……俺は、突っ込んで傷つけるかもしれないなら突っ込んで行かないで済む方法ねぇーかっていつも怖気づいて…、むつに〝それじゃ遅い〟って先越されちまう。その度に思い知る、修二がむつを好きな理由、修二がむつをずっと好きだった事。…むつが修二をずっと大事に守って引っ張り上げてた事…。マキと百目鬼さんがぶつかって傷つきながらもお互いを離さないでいる方法を模索してんの見るたび思う。俺たち3人はこれで良かったのかって…。俺が余計な事したんじゃないかって…。修二は…俺を好きだと泣いたりするのかって…」
泣かしたいわけじゃない…
本当に修二が泣いたら、死ぬほど後悔する。
修二を泣かせたら、俺が泣く。
それは分かってるけど。
あの魔性マキ様が百目鬼さんが好きだと泣いて取り乱して怯えるのを見てると、羨ましく思ってる自分がいる。
華南「…俺が女といても嫉妬とか全然そんなそぶり見せないし、むつと2人でイチャついてても寂しがったりしねぇーし…ってくだらない事思っちまってる自分に情けなくて腹が立つだけっつーか…」
マキ「……。本当情けないね」
華南「だろ…」
マキ「華南の良さを華南が否定したらダメじゃん」
そう言ったマキは、さっきまでの照れまくった表情は何処へやら、ニッと悪戯っぽく笑ってる。
華南「俺の…良さ…?」
マキ「修二とむつの事大好きで大好きで、頭の中いつもエッチな事ばっかでエロエロ大魔神なとこ♪♪」
はッ!?!?
マキ様それって良いところでも何でもなくない!?
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