アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
アルバム絵本
-
緋色「マキ君は、服にお酒かからなかった?」
マキ「僕は平気ですよ♪」
緋色「そっか、マキ君のほろ酔いが見れなくて残念w」
緋色さんは、どの場面でも、本当に素直な目をしてる。仕草や言葉は怪しいけど、その瞳はキラキラして真っ直ぐで、何処からもいやらしさを感じない。
どんなに観察しても心の怪しさは感知できない。
ここまで裏表のない人間は珍しい。
僕の知ってる中じゃ、むつと矢田さん位だ。
マキ「僕は修二と違って強いから♪修二みたいに可愛くはならないですよ♪」
緋色「おっ、イケる口?じゃあ一緒に飲もうよ。俺も強いよ、血行いいから赤くなっちゃうけど。マキ君肌白いからいい色になりそうだね」
本当に素直なだけなのか…
本心を隠してないか、カマをかけてみた。
マキ「ふふ♪、そうですね、うなじとか凄くエロいって言われます♪」
わざと艶めかしく首をなぞって髪をかき上げ、うなじを露わにしてみた。
緋色「ぉおお…、本当だ、エロエロだね」
…。
緋色「たぶん、ピパラチアサファイアみたいに美しく染まって綺麗なんだろうなぁ」
マキ「・・・」
思わずキョトンとしてパチクリ瞳を瞬くと、緋色さんは一点の曇りもない綺麗な瞳で笑った。
緋色「…あっ、そのキョトン顏すっごい可愛いw」
こっちがカマかけたのお見通しって顔して笑ってる。
僕のヘラヘラする表情もずっと見透かしてるし…
マキ「…ピパラチアサファイア…って?」
緋色「ん?。あぁピパラチアサファイアは、ピンクとオレンジを混ぜた感じの色だよ、そうだな、僕が思うのは透ける桜色で淡い夕日を見るみたいな感じかな」
透ける桜色で淡い夕日を…
緋色「見る?」
携帯を取り出し、聞きながらもサクサク検索してるのかと思ったら、違った。緋色さんが見せてきたのは、輝く海がいろんな色に光って、その中に人魚が泳いでる水彩画の写真。どこかラ◯センの世界観に近い美しい色の海だった。
マキ「う…わぁー…ぁ…」
緋色「ハハッ、いい反応するね。ここら辺のピンクがピパラチアサファイアを意識してるんだ」
絵なのに、写真みたいな透き通った透明感。
マキ「意識してるって…、これ、もしかして緋色さんが描いたの?」
緋色「うん、俺が描いた。でもこれはラ◯センをモチーフにしてって依頼だったから、完全オリジナルじゃないけどね」
マキ「凄い綺麗…」
緋色「おっ、興味持ってくれた?」
マキ「この綺麗な絵に興味はあるけど、モデルは興味ないよ♪」
緋色「うわっ、やーらーれーたー」
バッサリ切り捨てられたと、おちゃめに切られたふりして倒れ込む緋色さんをシカトして携帯の絵を見ていたら、緋色さんがいじけたように擦りよって甘える。
緋色「ちょっとちょっとツッコミ頂戴よ。作った本人はスルーするのに、描いた絵には興味深々?」
マキ「他のも見せて♪」
緋色「うわwマキ君可愛い上目遣いとか卑怯だよ、おねだり上手だなぁw」
臭いことばかり言うナンパ男の指先が、写真のフォルダーを開いた瞬間、そこには信じられないくらい繊細な世界観が広がっていた。
綺麗…
としか言いようがない。ただただみとれるほどの宝石のように透き通る輝きを持つ優しい絵ばかり…
若干ファンタジー寄りの空想上のものが多く、妖精やペガサス、空飛ぶお城など、不思議な世界観でもあった。
そして、その世界観は、水彩画だけではなく、油絵やポスター、そして一部写真なんかもあった。
マキ「写真も撮るの?」
緋色「あぁ、写真は主に資料かな、イメージに近い風景とか、人を撮ったりとか。まぁ、時々気になったものを撮ったりするけど」
マキ「……………奏一さんと修二」
緋色「えっ!?わっ!シー!シー!」
急に慌てだした緋色さんが辺りを見回す。
幸い奏一さんは着替えに行った修二の所に居た。
マキ「これ、隠し撮りだよね」
2人が見つめ合って笑ってるのを横から遠目のアングルで撮ってる。
それに、奏一さんが修二の隠し撮りを許可するとは思えない。
緋色「秘密にして!これ超良い写真でしょ!奏一さんが修二君に微笑んで優しく頭撫でてて、修二君が嬉しそうに擽ったいって笑ってる超ベストショット!」
確かに物凄く良い写真…
緋色「ちゃん許可もらってるのもあるんだよ。毎年家族写真は俺が撮ってるし」
緋色さんは、リュックの中から大きな一眼レフのカメラを取り出してきた。その立派な一眼レフにもときめいて、思わず食いついちゃった。
マキ「え、見たい!」
緋色「見せたら内緒にしてくれる?」
マキ「んふふ♪、どうしよっかなぁ♪」
緋色「あぁ…、マキ君楽しそう…」
マキ「やっぱ、一眼レフって良い?」
緋色「ん?マキ君写真興味あり?」
マキ「迷ったんだけど難しそうだなって」
緋色「何を撮るの?」
風景?人物?それとも…と並べられ、答えづらくなった。〝好きな人〟とか言ったら根掘り葉掘り聞かれそうだし少し恥ずかしくなった。
マキ「…………。………思い出」
緋色は一瞬キョトンと瞳を瞬いた後、なんとも優しげな表情で微笑み、恥ずかしそうにする僕にニカッと笑った。
緋色「……そっか、良いね。俺は一眼レフオススメするよ。初心者でも扱えるの色々あるよ、教えてあげるよ」
マキ「…」
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 170