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まだまだ遠いい……
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畜生!
なんでこんな事になるんだ!?
神がいない間に…ホント神の奴運がねぇーな。
ってか落ち着け
マキを狙う可能性があるのは、溝呂木の傘下の奴らだが、そいつらは全員麻薬取締の警官が監視してる。
朱雀の奴ら ?それともマキを逆恨みしてる実の兄貴?
奴らがマキに手を出さないように裏から手を回してあったのに、神が離れてるこんなタイミングで…
これでマキが無事じゃなかったら、また、振り出しに戻っちまう。
神も、マキも、やっと落ち着いてきた今の穏やかな関係じゃいられなくなる。
二人がまた離れ離れになるようなことになったら、きっとまた繰り返すんだ、マキのあの泣き崩れるような絶望と、怒りと混乱ばかりの神になっちまって…
神が朱雀から追放された後みたいに手がつけられない状態に戻っちまったらどうしてくれるんだ!!
必死に運動公園の東口を目指して全力疾走しても、無駄に広い運動公園は、暗くていつまでも闇の中にいるんじゃないかと絶望するような気持ちと焦りで最悪の事態ばかり想像しちまう。
走るのに適さないくたびれたスーツと履き古した革靴が限界だと軋むほど全力で走って、やっと遠くに見えた薄明かりの電灯の下に、公衆トイレらしき建物が見えた。
LEDライトじゃないその電灯は薄暗くて、嫌な想像がさらに悪くかる。
賢史「マキ!!」
公衆トイレに駆け込んで叫んだが、そこはものけの空。
遅かったか!?
額にビッショリ汗をかき息も整えず、胸のざわつきを抑えるように踵を返し、直ぐさま公衆トイレを飛び出して祈るように周囲に叫んだ。
賢史「マキ!!」
お前になんかあったら、神がまたあの頃みたいに戻っちまう!
公園の中の雑音も、街の雑音も入り混じる中、俺の感覚は研ぎ澄まされて、わずかなその音を見逃さなかった。
俺の叫び声に反応するように、公衆トイレの裏の草木の中から聞こえてきた音に、俺は迷わず飛び込んだ。
賢史「マキ!!」
そこには、いつかの光景を思い出させるような状態に、マキの姿を見つけた。
見知らぬ男が4人。
一人目は手にビデオカメラを持ち、二人目は下半身丸出しでマキの両腕を押さえ込んで、3人目も下半身丸出しでマキに覆いかぶさってる。
四人目の男は、大学生くらいの男の子で、手足を縛られ半裸で木に繋がれていた。
一瞬、昔マキが瀧本に攫われて男達に乱暴された光景が過ってゾッとした。
が、ここにいるマキは、服を着ていた。
ビデオカメラを持つ男と、マキの上半身を抑えてる男が、飛び込ん出来た俺を見て「ヤバッ」って焦った声を上げたが、マキに覆いかぶさる男は動かない。
よく見たら、マキの足が股間にヒットして泡食って悶絶中。
男たちに押さえつけられてるマキは、飛び込ん出来たのが俺だと分かると、いつも通りヘラッと笑って、いつも通りふざけたトーンで俺の名前を呼んだ。
マキ「あっ♪賢史さぁーん♪」
あっ♪賢史さぁーん♪
ッじゃ、ねーだろーが!!!!
マキを含む全員をギロッと睨みつけたら、慌てて男二人が悶絶中の男を抱えて逃げだす。
賢史「テメーら待て!!」
追いかけようとしたが、東口の直ぐそばに白いワンボックスカーが停まってて、3人は車に乗り込み逃げて行った。
賢史「チッ!!」
直ぐさま携帯で、警察署にまだいるだろう群将に掛け、車のナンバーを照会させるよう手配して、マキの元に戻った。
マキは、取り残されたのは半裸の男の子の縄を解いていた。
自分がどんな目に遭わされたのか微塵も感じさせない優しい笑顔でヘラヘラしながら、女王様は「もう大丈夫だよ」と男の子に話しかけながら自分の上着を男の子のはだけてるに下半身に羽織らせてた。
ったくこの馬鹿女王様は、またトラブルに自分から首を突っ込んだんじゃないだろうな!!
マキは、服装の乱れもなく、どこか怪我してる様子もない。
だが、そう見えないだけかもしれない。
こいつは怪我したって血を流してたって、平気だとヘラヘラ笑う奴だ。
賢史「マキ、怪我は?何があった。」
俺がそう尋ねると、マキは怯えたてる男の子に「この人僕の友達だから」と優しく言って背中を撫でながら答えた。
マキ「僕は何ともないよ、ありがとう賢史さん♪。さっきの人達、この子を縛って無理やり撮ろうとしてたんだ。僕にもギャラ弾むから出演してとか言ってたから裏ビデオ作るつもりだったんじゃない?」
『何ともないよ、ありがとう賢史さん♪』じゃねーだろーが!!
何ヘラヘラ答えてんだ!!
お前の大丈夫は大丈夫じゃねーだろーが!!
お前がそんなんだから神が怒るんだろうが!!
賢史「お前の〝何ともない〟は信用できない」
マキ「アハッ♪、今回はホントだよ♪ちょこっと間に入っただけだから♪」
ちょっとじゃねーだろ!
賢史「そっちの子は、怪我は」
マキ「殴られてる、でも、病院は嫌だって、だから先生のところに連れてこうと思う」
マキは遠回しに、この子乱暴されてるって目で訴えた。
マキの上着で隠してあるから見えないが、男の子の下半身はドロドロだろう。
賢史「分かった、俺が車で送ってく。ところで、本当にお前は何ともないんだろうな」
マキ「僕強いんだよ、心配ないって♪ちょこっと投げ飛ばして股間蹴り上げただけだから(テヘペロ♪)」
テヘペロってなんだ!
可愛らしく舌出してペコちゃんしてんじゃねーよ!
しかも馬鹿か!?
明らかに自らトラブルに首突っ込んだんだろ!!
賢史「お前なぁ…、助けに入るならまず俺を呼べよ!」
マキ「………」
マキは、可愛らしい上目遣いで瞳をウルっとさせながら
『あれくらい大丈夫』
『百目鬼さんには言わないでお願いっ♡』
って訴えてるが、
いやいや、もうバレてるも同然ですが…
ヤバい…
早く神に連絡しなきゃ、青森飛び出してこっちに来ちまう!
あーもー、神になんてフォロー入れよう。
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