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アルバムをなぞる指先の決断48
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マキ「……」
緋色「……」
いきなりの告白に驚きながら、欲望臭のしない緋色さんに疑問が浮かぶ。
彼は僕を押し倒しながら、全く卑猥なオーラを感じない。僕は今まで人生で何度も押し倒されたことがあるけど、ここまで無臭なのは初めてだ。
それに、緋色さんの考えは読みづらいところがあって、何を考えてるかイマイチ掴めなかった。
それっぽい怪しさはあったけど、ゲイには見えなかったのに。
マキ「……」
驚くでも怖がるでもなくジッと緋色を見つめていると。肉食の獣にマウント取られて、男に床に押さえつけられても動じないマキに、覆いかぶさる緋色のキメ顔が崩れた。
緋色「…なんか反応してくんない?」
マキ「あっ、ごめんね」
ちょっと考え事してました。みたいな返答に、襲いかかった体勢のままガックリ肩を落とした。
緋色「冷静すぎじゃない?マキちゃん。マキちゃんのことだから、ビックリして言葉が出ないってわけじゃないでしょ」
マキ「うーん、ビックリしたっていうより、読みがズレてたから、なんで読み間違ったのかなって考えてた」
緋色「俺、告白したんだけど」
マキ「そんなフラグいつ立った?」
緋色「ってか、密室に2人っきりで、マキちゃんより強い俺に押し倒されてるこの体勢で、俺のこと無害だと思ってない?」
マキ「ふふ♪超無害だと思ってるよ♪」
ニッコリ答えた僕に、緋色さんは眉をしかめ、僕に抱きつくように体を密着させてきた。
緋色「俺、男のマキちゃんと最後まで出来るよ。なんなら今すぐ証明も出来る」
抱き寄せられ、触れた彼の腕の力強さは、僕なんかが抵抗しても簡単には逃れられない力の差がある事が分かる。
彼が僕を組み仕切るのは簡単だ。
マキ「緋色さんは僕とSEXしたいだけ?」
緋色「違う。マキの心ごと欲しいんだ」
マキ「…うん、それは信じる。瞳が真っ直ぐで綺麗だから。でも、緋色さんからは、欲に飢えた臭いはしない、だから疑問なんだよね。いつ、そんな熱烈になったの?」
緋色に抱き寄せられ触れた下半身も、欲情してる様子はない。2人っきりの状況に気持ちが抑えられなくなった感じもない。だからこそ、余計分からない。
緋色「信じるって。マキのエロさに当てられてヤりたいだけの奴と比べた?。違うから。俺、そっちのコントロールは得意なんだぜ。勃たせんのも萎えさせんのも自分の意思で出来る」
マキ「緋色さんはそういう奴じゃない、信じるって言ったでしょ。僕とは数回しか会ってないのになんで押し倒したくなったの?僕が可愛いから?」
緋色「…マジで、押し倒されたまそんなこと聞くか普通」
マキ「じゃ、どいてよ」
緋色「色気ないこと言うなよ。洗濯板並みにごついのでわざと俺の告白する気を削いでるだろ」
マキ「だって、緋色さんが僕をだなんてフラグどこにあったの?」
緋色「あったあった、いっぱいあったろ」
マキ「えー、なかったよ。緋色さん、どっちかっていうと、僕のこの探ってるっぽかったもん」
緋色「…、まぁ、それはあるね。奏一さんや修二たちからマキちゃんの話は山ほど聞いたから、本当はどんな子なのかなって思ってさ」
マキ「奏一さんたちってば、いったい僕のどんな話してたの?」
緋色「まぁ、色々あっけど、全員の話を総合すると、すっごい優しくてエロ可愛いくて賢いのに、エベレストよりも高い頑固で心を開かない泣き虫な小悪魔ちゃんが、世界一不器用で乱暴な恋人に泣かされてるってはなしかな?」
マキ「泣き虫って…、むつでしょ」
僕のいないところでむつはまた好き勝手言ってって思ったけど、むくれた僕を見て、緋色さんは、困った顔してみんな言ってるよって反応だった。
緋色「マキちゃんの恋人のことは、基本、修二と華南がフォロー役で、奏一さんとむつがバッシング側、谷崎さんと彩さんが聞き役で中間って感じ。マキちゃんの印象は4人全員同じ感じなんだけど、その恋人の印象は4人全員違うんだよね」
修二と華南むつと奏一さんは、4人全員が僕を泣き虫だと思ってるってこと?
緋色「その話聞いてて、泣かされてばっかみたいだから、なんでそんな相手が好きなんだろって思ってさ」
マキ「泣かされてない」
緋色「むつが、マキはいつもそう言って泣いてばかりいるって怒ってたよ」
マキ「ッ、むつの奴お仕置きしてやる」
緋色「実際泣かされてるじゃん。何度も何度も」
マキ「泣かされてない!」
何も知らない緋色さんに、神さんを悪く言われたくないし、僕は泣いてなんかいない!
ムッとして緋色さんを睨んだら、緋色さんは、自分より小さい子に仕方ないなってするみたいな顔して僕の胸を指差した。
緋色「…、今だって、心の中で泣いてる」
マキ「は?!」
緋色「ずっと、泣いてるだろ」
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