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「……まあ、勉強教えるのは良いとして。いつまで?」
「あ?ああ、週明け再テストだから日曜の夜まではみっちり教えるつもりだけど」
「って事はその間俺放置?放置プレイですか!」
そんな放置プレイ気持ち良くないんですけど!と騒ぎ立てるシロに、どうしたものかと頭を悩ませる。
こいつは本当に我慢が出来ないと言うか自由奔放と言うか。
見た目は王子様フェイスなのに勿体無い。
ぎしり、と音を立ててベッドに座る。
「時間見て飯作りに帰って来る。それまで大人しくしてろ」
そっと柔らかい髪を撫でながら言えば、シロは仄かに頬を染めてきゅっと唇を噛み俯いた。
「…俺今日1日中大人しくしてた」
「ん、知ってる」
どうやらご不満らしい。
対処法に頭を悩ませていれば、ぎゅっと服の袖を掴まれる。
「ちゅーしてくれたら大人しくしてる」
「……………」
その言葉を聞いて思わず返事に困る。
けれど視線を上げたシロの目にうっすらと涙が滲んでいて、寂しい思いをさせてしまったのかもしれないと思った。
シロはこの学校で初めて出来た友人だ。
大切にしたい。
頭を撫でていた手を頬に滑らせ、顔を近付ける。
きゅ、と目が閉じられたのを確認して、俺はシロの唇へとそっと自分の唇を重ねた。
「……ん…」
ただ唇を合わせただけの幼いキスだというのに、シロは吐息のような声を洩らす。
ゆっくりと唇を離せば、目を開けたシロが、俺を睨み付けていた。
「何でディープじゃないんですかー」
不満たらたらの声を上げるシロの頭を宥めるように撫でる。
「ちゃんとお利口にしてたらしてやるよ」
言うとほぼ同時に、来訪を知らせるベルが鳴る。
恐らく美作だろう。
立ち上がり、鞄を持って寝室を出る前にもう一度シロに視線を向ける。
「夕飯作りにまた戻っから、良い子にしてろよ」
「……はーい」
不満そうにしながらも大人しく返事をしたシロに小さく微笑み掛け、俺は部屋を後にした。
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