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英語12点、国語26点、数学4点。
渡されたテストを見て思わず驚愕する。
……4点って、何だ。
「……あはは」
答案用紙を見て頭を押さえてしまった俺を見て、美作が乾いた笑い声を上げる。
これは道程が遠そうだ。
「………過ぎた事は仕方無い。取り敢えず、1番苦手そうな数学からやるか」
「はい…」
気を取り直して俺達は勉強へ専念した。
教えていて分かった事。
美作は決して頭が悪い訳では無かった。
授業に専念していなかったからか、勉強する気が無かったからなのかは分からないが、丁寧に教えれば美作はしっかり理解したし飲み込みも早い方だった。
「……黒峰、此処分かんない」
「ん?ああ、其処はさっきの問題の応用だから、この公式を使って…」
「あー分かったかも」
ある程度教えれば基礎は教科書を見ながら解けるようになった。
ただ、応用が理解し辛いらしく、度々こうやって聞いてくるがそれも丁寧に教えれば理解を示す。
このペースで行けば週明けの再テストは赤点を免れるだろう。
「黒峰、これで合ってる?」
「……ん、正解。やれば出来んじゃん」
「へへっ」
美作は褒めて伸びるタイプらしく、褒めれば素直に喜びやる気を出す。
それが尻尾を振って喜ぶ犬に見えて仕方無くて、可愛らしくて思わず頭を撫でてしまう。
「っ…」
照れ屋なのか美作は頬を赤らめてすぐ視線を逸らしてしまうが、そんな仕草も益々可愛らしいと思う。
ふと、時計を確認する。
時刻は18時半過ぎ。
勉強を始めてからもうすぐ2時間が経過しようとしていた。
「そろそろ夕飯にしようか」
「おっ、それ良いな。賛成」
俺が提案すればお腹が空いていたのか嬉しそうに美作はペンを置いた。
「何食おっかなー。頭使ったし今日は肉が食いたい気分。黒峰何食う?」
「ああ、俺自炊だから」
「え?!」
自炊というのが意外だったのか美作は驚いて声を荒げる。
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