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愛おしい
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ゆっくり目を開けたら僕の目の前には橙に近い金髪の不良男子がいた…というか、寝てた。
どう考えてもここは学校の保健室。
僕、無意識になんかとんでもない過ちを犯しちゃったのかな…?
ヤメテ、そんなのシャレにならない。
でも目の前の不良男子は1年前から想い続けている、いわゆる、僕の好きなヒトなわけで。
勢いで、なんてそんなこと、ないとは言えないよな?
相手が男子であるとはいえ、僕だって健全な男子高生ですから。
「…ん、あぁ、起きたのか」
お目覚めですか、おはようございます。
頭の中がぐちゃぐちゃしてきた所で目の前の不良男子が目を開いた。
寝起きよすぎるだろ、こいつ。
薄く開けられた瞳は橙のような綺麗な茶色。しばらくその瞳から目が離せなかった。
息をするのも忘れて何も言えずにいると、
「まだツラいなら、休んでろ」
瞳が優しく細められた。
この目を僕は見たことがある。少なくとも、こいつが僕に向けてくるようなものではない。
愛おしさが見え隠れする。
なんなんだコレ、どういう状況?
そんな顔で見るなよ。
勘違いするから。
恥ずかしくなってきて、やんわりと目を逸らす。
鼓動が早い。
もう死ぬんじゃないかってくらい。
目の前の奴が動いてシーツの擦れる音が聞こえる。直後、額に柔らかいものが押し付けられた。
「……ぇ…?」
離れていく彼を見て瞬時に悟った。
おでこにキスだなんて、キザな不良。
顔が、体が、あつい。
心臓こわれる。
ゆっくり彼を見やるとさっきの優しい顔に心なしか赤みがかかったような気がした。
「はは、お前の顔赤い」
そう言って無邪気な笑顔を見せられた。強面で有名なこいつに。
もう何これ、僕をドキドキさせて殺したいの?
……言っちゃいたい。好きだって、大好きだって、言いたい。
「まだ寝てなよ、実架」
その一言で一瞬にして突き落とされた。息が、うまくできない。
…あの、さ。
僕の名前、季城零弥なんですけど。
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