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談話室 3
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「ねぇ、波留。俺いつまでこうしてればいい?」
扉と目の前の相手で、逃げ道のない波留は呟くように言う
「できれば、そのまま…」
(恥ずかしくて死にそうだから……)
すると、目の前にいる清が吹き出して笑う
「なにそれ…。波留、誘ってんの?」
「違うから。それは断じて違うから…」
「なーんだつまんないのー…」
そう言って、波留の頭をぐしゃぐしゃとなで回した
(なにがつまんないだよ……)
「…キヨのバーカ、エロ、変態。」
波留は扉と清に挟まれながらそんな事を彼に飛ばす
「…なにそれ。……怒るよ波留。」
「じゃあ、俺のがもぉーと怒りたいわ…。」
波留は昨日の一連の事を思い出し、清の身体にもっと顔を埋める
「痛い。痛い。」
「……。」
そんな行動で悟ったのか、波留の背中を軽くトントンと叩きながら、清は優しいトーンで言った
「 ……どうしたのさ。急に飛び出して来て。」
(俺だって好きで飛び出して来た訳じゃないもん…)
内心では思ったが口には出さず、代わりに彼の顔をちらりと盗み見した。
少し、曇った彼の顔を…
なんだか、少し寂しそうな顔を見せる清に波留は行き場のなかった手を彼の腰に回した
「っ⁉︎ちょっと、波留っ⁉︎」
あまりの出来事に驚いているのか、清いの声が上ずっている
「…どうして」
「……へ?」
「ぎゅーってしてこないんだよ…」
(何言ってんだろ。)
何故自分でもそんな事を言ったのか解らない。
「…俺に、ぎゅーってされたいの?」
清の答えはそれだった
「……。」
それで清が笑顔になるなら…
波留は本当に小さく頷いた
「…今やったら襲うかもよ?」
「……そこはキヨもわきまえてるでしょ。」
ここは、羽柴会長の屋敷
こんな場所で波留を抱くほど、清も馬鹿ではないはずだ
「……波留がしていいって言うならぎゅーってしたい。」
「…うん。」
波留の同意を得た瞬間、清は波留をキツく抱き寄せた。
「……ごめん。波留。」
清が波留の首元に顔を埋めながら、耳元でそう囁く。
「俺さ…、波留にこういう事する資格ないって思ってた。」
(何を言い出すかと思えば…)
「……どうして?」
優しく聞き返すと、清は波留を抱きしめる手を緩めて言った
「波留にあんな事したから…。」
弱った犬みたいな声で表情で言う彼に、波留は思わずため息を吐いてしまう
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