アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
飲みに行ったら… 4
-
トイレの個室に引きこもり、食べた物をほとんど吐き出してしまった波留は重いため息をついた
(折角マスターが作ってくれたのにな……)
勿体ないことをしてしまったと思い、個室から出る
「はぁー…。」
口を軽くゆすごうと洗面所に立つと手洗い場の扉が開く
(猇かな…?)
そう思い、気にせず口をゆすぐために水を口に含み、何度かゆすぎ終わると後ろからねっとりとした声が響いた
「へぇー…お前、男だったんだな。」
「っ‼」
ぱっと顔を上げ鏡を見ると、先程店内に入ってきた客の一人だった
「てっきり女だと思っていたが…。ふぅん、いい身体つきしてるじゃねえか。」
(こいつ‼…まずいかも…。)
波留は服の裾口で軽く口元を拭うと後ろを振り返った
「な、なんですか‼…ちょっと‼」
波留の言葉を無視し客が波留の両手首を片手で掴み、洗面台の空いているスペースに無理やり押し倒す
「いった…。離して‼」
「…おいおい暴れるなよ。外にいる奴に気づかれるだろ。」
そうだ、外には猇がいる
「猇‼助け…‼」
波留が扉に向かって大声で叫ぶと、男は波留の口を空いているもう片方の手で塞いだ
「静かにしろよ…。」
「んー‼んんーっ‼」
手足を必死にもがき、逃げ出そうとするが酔いが抜けきっておらず、波留の頭は酸素が足りないのか目の前がくらっと歪んだ
(あ…、目の前くらくらしてきた…)
「……。」
「はっ、意外にお前もヤる気があるんじゃねぇか。…んじゃ、いただきますか」
(嫌だ…離せよ…。猇……)
口元を覆っていた手が離れ、波留は酸素を吸うために荒い呼吸を繰り返し、目の前の相手のされるがままになった
男は空いた手で波留の衣服に手をかける
思うように体が動かなった波留の目からは涙が零れ落ちた
(……助けて。)
そう思った否か、手洗い場の扉が開き、タバコを加えた男性が入ってくる
「…ほー、何しに行ったのかと思えばやっぱりこれか…」
「…こ……ぅ…。」
涙交じりの波留が猇の名前を呼ぶと彼は「遅くなっちまってごめんな?」と言って目の前にいる男に思いっきりガンを飛ばした
「お前、自分が何してるか解っててやってるんだろうな…」
「……なんだよ。…こいつには手はあげてないぞ。」
波留から手を離し、そそくさと出口に向かう客
「…誰が、逃がすって言ったよ?あぁ?」
猇がいつもより低い声で言い客の胸倉を掴むと扉に男を押し付けた
「っぅ‼」
押し付けられた痛みと目の前にいる猇の迫力に顔を歪ませ怯える男に猇が冷たく言い放つ
「お前今度うちのもんに手ぇ出してみろ…。お前の此処使いもんにならなくするぞ」
猇は男の足の間に自分の足を急所すれすれの所に勢いよく置き、そう言う
「っひぃ‼」
男は猇の行動に驚き、小さく悲鳴をあげる
「解ったか?」
猇なりには優しく問いかけたつもりなのだろうけど、男にとっては般若の様に恐ろしかったのだろう。
「ごごごごめんなさい‼も、もうしませんから ‼許して下さいぃぃ‼」
「猇…大丈夫だから…。離してあげて…」
波留はタイルに座り込みながら、男の胸倉を掴む猇に言う
すると猇はチッと舌打ちを打ってから男の胸倉から乱暴に手を離す
「ひぃぃぃ‼」
男は勢いよく扉から飛び出し、手洗い場が静かになる
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 557