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紹介 6
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大広間へと足を踏み入れた波留は、沢山の人達の視線を浴びる
小さな声で波留の容姿について言ったり、新入りか?など様々な声が飛び交う
「ほら、静かにしろ。」
清がざわつく部下達に一声かけると、彼等の声はすっとおさまった
「今から、羽柴会の新入りを紹介する。」
少し台の高くなった場所に仁王立ちをしながら清が波留を優しく呼ぶ
「おいで、波留」
猇の隣にぴったりとくっついていた波留は、清に呼ばれると同時に彼の方へと足早に向かう
「…波留、顔が怖いから。」
波留の緊張で強張る顔を見るなり清が吹き出し、笑顔でその細い腰を引き寄せた
「今、俺の隣にいるのが羽柴会新入りの成宮波留だ。組は俺と猇がいる羽柴組で俺と猇の大事な家族だから、あまりに変な事しならただじゃすまないって思ってろよ。…まぁ、お前らの事を信じてるからそんな事はしないと思うけどな?」
彼等を見据えるような瞳で波留の事を伝える清
波留は清の口から“家族”と言う単語が出た事に驚き、内心でそっと喜んだ
「…なにか異論は?」
清が小さく首を傾げてそのまま笑顔で言うと、皆が声を揃えて叫んだ
「ありませんっ‼︎」
「…ならよし。じゃあ、解散していいよー。」
手を振りながら清が彼等に言うと、一礼をして大広間からぞろぞろと人が出ていく
「はい、紹介おしまいっ‼︎…緊張した?」
勢い良く波留の方をみて言い、感想を聞いてくる清
「…緊張するに決まってるでしょ。」
深いため息をついて自分を落ち着けると、俺は清の目を見て笑う
「家族だって言ってくれてありがとう。…えっと、その…嬉しかったよ?」
「…っ‼︎」
清が波留の腰を支えていた手をいきなり離し、その場に小さくなってうずくまる
「え?あ、あの…キヨ?」
混乱する波留に、タバコを加えた猇が“平気だ”と言って段を上がってきた
「まぁ、これで紹介は終いだし、興味持った奴等がお前に話しかけて来るぐらいだから心配いらないだろう」
「キヨの念押しが効いたみたいだしな。」と言って、煙を吐き出す
「…上目遣いちょー可愛い。食べたい。」
清はうずくまったままそんな事を呟く
「ならまず、波留の生活環境を整えるのと自分の仕事を終わらせてから言え。」
猇の言葉は清の痛い所をグサリと刺し、メンタルを削る
「…そだね。やることやってからじゃなきゃ総長失格にされちゃうもんね。」
チラリと猇を見てから言い、彼に頷き返されると、うずくまっていた清は笑顔で立ち上がり次の目的を伝えてきた
「ちょっと、櫻庭組の子に会いに行ったら波留の家に向かおうか」
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