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我が家 1
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俺達はアジトを後にすると、俺の家に向かって猇が車を走らせた
「和嶋会がかねー……」
清は助手席に乗りながら、先程彼女たちが言っていたことを繰り返す
「猇、去年にさ…なんかあったっけ…?」
椅子に全体重をかけて埋まる清に猇は首を傾げて肩をすくめる
「さあな。…あっちはあっちで行動してるし、俺達よりも羽柴の親父とか真尋の方が知ってると思うけどな」
「そっかぁー…、じゃああとで羽柴の親父に電話しよ。」
問題が解決したのか、猇が次の道のりを聞いてくる
「…あ、次の道を右に行って、三個目の角をまた右」
俺は身を乗り出して猇に伝えると、考え込んでいる清の顔を見た
「……。」
「…ん?どうしたの?」
彼は俺の視線に気が付きと、にっこりと笑って俺の頬をつつく
「…清もそんな顔できるんだね。」
「なにそれー。俺でも真面目に考える事はあるさ」
清は俺にそう言うとまた考え込むような顔をした
「何か思い当たることがあるの?」
「……うん、確信はないから話せないけどね」
彼の中では思い当たる節があるらしい
「…ま、関係ないでしょ。きっと。」
へらりと笑って、俺の唇を自分の指で撫でる
「…消毒。」
多分、紫乃にされたキスをまだ引きずっているのだろう
十分に撫でると俺の口から指を離し、その指をペロリと舐めた
「…っ‼︎」
清は時折キザな事を俺にしてくる
彼の行動に顔を赤くしていると、横から呆れたため息が聞こえてきた
「…お前ら、車ん中でなにしてんだよ。」
「猇だって昨日、波留とちゅっちゅっしてたじゃん」
全く身に覚えのない事を言われ、反射的に猇の方を向く
「あれは、こいつから誘ってきたんだ。…俺からは酔い止めのためにしかやってない」
「……俺、覚えてない。」
「そりゃ、意識があって誘ってきてたんだったらあんなに食いついてこないからな」
ハンドルをきり、車は少し細い路地に入る
「気まずいったらありゃしない。外でやってほしかったよー」
「うるせぇ。…ほら、着いたぞ。」
猇は車をとめ、俺の住んでいるアパート前で言う
「ありがと。…じゃあ、ちょっと行ってくるね。」
「車止めたらすぐ行くから、軽い物だけ整理しておけよ」
こくりと頷き、車のドアを開ける
(なんだか、久々に家に帰るな……)
そんな事を思いながら、アパートの階段を上がった
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