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我が家 2<清、猇視点>
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車を客人スペースへと止めた俺達は、波留の言っていた号室へと向かう
「…大丈夫かな?波留。」
「…ん?どうしたんだよ、急に」
「だって、部屋で待ってたりされた事もあるんでしょ。たしか。」
「二日間いなかったんだから、その心配はないだろ。」
「そだね。」
アパート横の階段を登り、波留の住んでいる号室前で足を止めると横から話しかけられる
「成宮くんに御用ですか?」
パッと声のする方を向くと、黒髪を綺麗にセットした切れ長の目をした青年が立っていた
「誰?」
「あ、すみません。…僕、成宮くんのバイト仲間で、ここ最近家にも帰ってないみたいだし、バイトにも来ないから心配になって見に来たんですけど…」
(…なんだそんなことか。)
下を向き、少し震えた声で言う彼に安堵の息をつき猇と視線で会話をする
(どうする?猇?)
(しらねぇよ。…でも、バイトの奴なら平気じゃないのか?)
(…そうだよね。気弱そうだし、いざとなったら助ければ…。)
会話し終えるとこくりと頷き、横に立つ青年に言う
「波留なら今、中にいますよ。」
にこやかな営業スマイルで言うと、彼はぱぁっと顔を明るくさせる
「本当ですか⁉︎…あの、少しだけ話をさせてもらってもいいですか?」
「どうぞ?」
俺が首を傾げながら目で早くしろと伝えると、彼は足早に俺達の前を通り扉に手をかける
その時、青年が表情を変えて小さな声で俺達に言った
目を朗らかな色から冷たくさせ、少し下がっていた口角を上げて
「……馬鹿な奴等。」
俺達はイヤな予感が背中を駆け抜けた
「…猇。」
「…あぁ。俺の定めが甘かった。」
(…波留が危ない。)
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