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我が家 5
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波留が清にもたれ掛っていると、玄関の奥から眉間にしわを寄せた葉月がやってくる
「波留……、お前…。」
睨みながら波留に言うと、身体はびくりと震えた
「……猇。」
清が怯える波留の背中をさすりながら、小さく猇の名前を呼ぶ
「あぁ。…」
猇はその呼び声に応答すると波留達の前に立った
「…ほんと、馬鹿な奴等。…波留。こっちにおいで。そんなヤクザなんかの所にいないでさ…」
葉月は猇に向かって罵倒すると波留を優しい言葉で誘い、微笑みかけてくる
「……。」
騙されまいと波留は清の服をぎゅっと掴み、首を横に振ると葉月の瞳がまた鋭くなった
「…そいつ等とそんなに居たいんだ…。へー…、じゃあ消えてもらうしかないね。」
そう言って葉月は後ろのポケットから小型ナイフを取り出す
「…っ‼」
波留はまさかの行動に驚き彼を見ると、清が俺に「大丈夫」と言う
「…全く、そんな物騒なもん持ちやがって。相手が俺じゃなかったらどうなってたんだろうな」
狭い外廊下で、猇が葉月に向かって挑発すると指の骨をバキリと鳴らした
「はっ、拳で勝てると思ってるの?…根っからの馬鹿なんだね」
「さて、それはどうかな?」
手を上下に動かすと、葉月は猇めがけてナイフを突きだした
「……っ‼」
(危ないっ)
波留は固く目を瞑り、身体を強張らせると乾いた刃物の音が当たりに響いた
「っぁ‼…くっ…」
「おいおい、ひ弱だな。さっきの威勢はどうしたんだよ」
猇の楽しそうな声が聞こえ波留がうっすらと目を開けると
目の前には葉月が持っていたナイフが地面に落ち、猇が葉月の腕を後ろに回し強くドアに押し付けていた
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