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我が家 6
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「…ぁ…ぐ…離せ…」
ドアに押し付けられている葉月に猇が鼻で笑い、刃物を足で蹴り転がす
刃物は清の前でピタリと止まると、それを彼は持ち自分のポケットに折り畳んで入れる
「ん。回収。…波留、先に車に戻ってようか…」
「で、でも…」
二人をこのままにして置いてはおけない
「大丈夫、すぐに戻るから。」
清が波留を姫抱きにして歩き、階段に差し掛かると猇にアイコンタクトで合図をする
それに猇が反応すると、葉月の頭をきつく掴んだ
「さぁて、どうしてやるかな…」
獣のような怖い瞳…
波留の知らない猇が見えた気がした
***
車内へと連れてこられた波留は後部座席のシートの上にゆっくりと乗せられた
「……。」
乱れた服を清が直してくれ、波留はそんな彼を黙って見る
「波留…、今日はもう帰ろうか。」
「…え。」
唐突な清の言葉に顔を上げると、清と目が合う
「…疲れたでしょ…。買い物はまた行けばいいから。」
そう言った彼の瞳は動揺と心配で揺れていた
そんな瞳を向けられては何も言えなくなってしまう
「……良い子。」
清は波留に微笑みかけると、そのでこに軽く触れるか触れないかのキスをした
「…ちょっと猇の様子を見てくるね。」
清は車の扉を閉めると波留を車内に残して歩いて行ってしまう
(……はぁ、悪い事しちゃったな。二人に)
波留は一人車内に残され、重いため息をついた
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