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疑問の夜 2
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着替えが済んだ猇がリビングへと戻ってき、二杯目のオムライスを食べている波留の傍にやって来た
「ん、猇も食べる?美味しいよ」
もごもごと口を動かす波留に猇が「底なし腹」と言ってからかってくる
「底なしじゃないし、美味しいのが好きなの」
「はいはい。にしても美味そうに出来てるな」
清の作ったオムライスをじっと見ながら猇が関心そうに呟く
「美味しいよー。」
波留はそう言って猇の前にスプーンに掬ったオムライスを差し出す
「……ん。」
猇は波留の掬ったオムライスを口に含むと、口を動かした
「お。美味いわ。…腕あげたな…キヨの野郎…。」
少し悔しそうだったが何処か嬉しそうな表情で猇が微笑む
「美味しいでしょ?」
ふふっと嬉しそうに笑うと、リビングにいた清があんぐりと口を開けていた
「何、猇だけあーんしてもらってるのさ‼ずるいー」
「波留から食えって言われたんだ。俺からは何もしてない」
「でも、ずるい…」
犬の様にシュンとした目で見つめられ、波留は小さな溜息をつくと清を呼んだ
「キヨもしてあげるからこっちおいで…」
すると、パッと顔を明るくさせ、喜ぶ子供の様にスキップでこちらに向かってくる
「…ちょーだい?」
波留の傍まで来た清が唇を指でつつき口を開ける
「はい、どーぞ。」
波留は猇と同様にスプーンでオムライスを掬うと清の口の中に入れた
「…む。ありがと」
口元を緩めながら笑う清に思わず笑いが零れてしまう
「お前は本当に子供だな。」
「子供じゃないからー、一応23歳だからー。」
「お前、それ屁理屈って言うんだぜ?」
「うるせ。猇ばっかりずるいんだよ。」
また波留を挟んだ口論が始まり、そろそろ見慣れたのか波留は気にせずオムライスを食べた
(どっちも、子供だよ…)
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