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疑問の夜 3
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オムライスを食べ終えた波留は、食器を洗い終えリビングでボーっとしていた
「……。」
(こんな普通の生活久しぶりだな…)
“普通”という事にありがたみを感じ、ふにゃりと頬の筋肉が緩む
(相変わらず頭は痛いけど…)
二日酔いの頭は波留が充実感に浸っていても容赦なく押し寄せる
「……っぁー…。」
ソファーに置いてあるクッションを弄びながら痛みに耐えていると、リビングの扉がガチャリと開いた
「あれ、波留まだ居たの?」
上半身裸の濡れた綺麗な金髪をタオルで拭く清の姿
「…お風呂入ったんだ。」
(……なんか、格好良いとか思っちゃった。)
早くなる鼓動を抑えながら、波留は清に聞く
「うん。波留はもう入れてあるから心配ないよ。」
「うん、知ってる。」
即答で返すと、清に小さく笑われた
「んで、波留はどっちで寝るの?」
「……え?」
唐突の質問に首を傾げる波留
「今日の夜。俺のベッドか、猇のベッド。どっちで寝る?」
タオルを首に巻き右手を清のベッド、左手を猇のベッドに見立てて波留に問いかけてくる
「いや、俺はどっちでも……。」
「じゃあ、俺と寝よ。」
「昨日の夜さみしかったんだー…」と呟きながら清が嬉しそうに言う
「キヨがいいなら俺はそれで構わないよ?」
「んじゃ決まり。…眠かったら先に部屋行っててもいいよ。」
(いや…あれだけ寝たんだから眠くはないんだけど…)
今日の午後は殆ど寝て終わった気がする
「ん、もうちょっとしたら行く。」
「りょーかい。」
そう言うと清はリビングを後にし、何処かへと向かってしまう
「………。」
(誰かと一緒にいれるってやっぱり嬉しいな……)
波留はまた、クッションを弄ぶとある事に気づいた
「あ…、明日バイトだ。」
(キヨ達に言って店長とちょっと話をしたら帰ろ。)
持っていたクッションをその場に置くと、風呂場の方から騒がしい声が聞こえてきた
「また言い争ってる……。」
『おい、何勝手に入って来てんだよ』
『髪ゴム取りに来ただけですー』
『後で来いよ』
『仕事できないからさー』
『じゃあ切れよ、その髪』
『やだー。って馬鹿かけんなよ‼』
『かけるつもりは全くなかった。お前が入ってきたからかかるんだ』
『何その棒読み‼…しかも冷たいし、絶対意図的にだろ‼』
『俺は冷水派だ。』
『ウソつくなよ‼』
「二人とも五月蠅いよ」
『『あ、波留。』』
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