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目覚め
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昔の事を夢に見た波留は勢いよく目を覚ました
「…っはぁ、はぁ…。」
冷や汗が背中をなぞり、涙が頬を伝う
(ごめん……結弦…)
ワイシャツの裾で目元を拭き、不意に横を見ると気持ちよさそうに寝ている清の姿があった
「……。」
月明かりに照らされた金髪がキラキラと光ってとっても綺麗だった
「気持ち良さそ…。」
その髪を優しく撫でると、くすぐったいのかもぞりと彼が動く
「…んーぅ…」
起したら不味いと思い、パッと手を離すと清の瞳がうっすらと開いた
「……起こしちゃった?」
グリーンの綺麗な瞳が波留に向き、小さく首を振る
「ううん。へーき…。何、泣いてるの波留…」
まだ少し拭き取れていなかったのか、目尻についた涙の粒を清が長い指で掬い取った
寝起きだから声が少し低く、ゆったりとした話し方で何時もより数倍優しく聞こえる
その涙を掬い終えると、清は両手を広げて波留を呼んだ
「怖い夢でも見た?…ほら、お兄さんの此処においで…」
波留を安心させるためにそんな事を言ったのだろう
こくりと頷き、清の両手の中にすっぽりと入る
「よしよし…大丈夫だよー…」
トントンと背中を摩られ、波留は安心感に包まれた
その安心からか、清の腕の中でまたぐっすりと眠った
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