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新生活 1
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それから数日
清達の家に波留の部屋ができ、三人での新生活が本格的に始まった
相変わらず言い争いは多いし、一緒に寝てくれと言われることだってしばしばある
でも、そんな楽しい生活が波留には嬉しかった
(二人ともあったかいから安心できるし……)
そんな今日、波留は2人と一緒に羽柴会長の元を訪れていた
会長のいる部屋まで通されると、波留はノックをして部屋の中へと入る
「おう、入って来い」
扉の中から返事が返ってき、そのまま静かに扉を開ける
「おー、来たか。適当に座っておけ」
何らかの書類に目を通していたのか、会長がチラリと此方を向いてそう言う
「はい。」
この人の雰囲気は嫌いではない
本当に波留を自分の子供のように扱ってくれる
(羨ましいな……こんな良い父親って)
波留はそう思いながら、ソファーに腰を下ろして、会長が来るのを待った
「…待たせたな。」
「あ、いえ‼大丈夫です‼」
「で、どうだ家の方は。」
向かいのソファーに会長が座ると、波留の近況を聞いてくる
「落ち着きました。あと、そのお礼を言いたくて…」
そう、家具などを揃えるためにお金を出してくれたのは会長だった
「いや、別に構わないさ。清の奴がどうしてもって言うもんだからな」
「キヨが…?」
「おう、何でもお前に新しい物で揃えてやりたいとか何とか言ってな」
(俺の知らない所でそんな事が起きていたなんて…)
清に感謝しつつ、会長に礼を言った
「本当にありがとうございました。」
「はいよ。…ところで、今日はお前一人で来たのか?」
頭を上げる様波留に言うと、会長が二人の居場所を聞いてくる
「あ、なんか寄りたいところがあるって言って…先に行くよう言われました。」
「そうか……。また何をしでかす気なんだか…。」
重いため息を一つつき、頭を掻くと部屋のドアが数回鳴らさせた
「おう、なんだ」
部屋に入ってきたのは清達ではなく、此処に住む会長の部下だった
「失礼します。会長、客人がお見えになってるんですが…。」
「誰だ。」
「櫻庭組の紫乃です。」
この前の女性だと瞬時に解った
「紫乃か…、通していいぞ」
「はい。」
そう言うと部下は扉を閉め、出て行ってしまう
「波留、お前紫乃と面識はあるか?」
部下が出て行くと、波留に会長が問いかけてき俺は黙って頷いた
「なら、大丈夫か。…あいつの癖の事は知ってるだろ?」
「…っ‼…はい。」
徐々に顔が赤くなり、この前の出来事を思い出す
「なんだ、された事があるのか」
「はい…。」
(女性にキスされて腰抜かすとか…言えないよね)
波留が脳内で試行錯誤していると、カツカツと高いヒールで歩く音がドアの向こうから聞こえてきた
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