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新生活 2
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そしてノックもなしに部屋の扉がいきなり開く
「会長ー。元気にしてますかー?」
金茶色の綺麗な長髪を一つに上で括り、ゼブラ柄ワンピースに黒のフリルジャケットを羽織り、腰上あたりに大きめのベルトを留めている女性
「紫乃、俺は元気だから礼儀でノックはしろ。」
会長が溜息をついて立ち上がり、紫乃を俺の横まで連れて行く
「あ、波留くん。久しぶりねー。」
波留の隣に座るなり、グロスで綺麗に光っている唇を近づけてきた
「ちょ、ちょっと紫乃さん‼」
波留は慌てて彼女の肩を押し返すと、紫乃は残念そうに身を引いてくれる
「波留くん私とキスするの嫌?」
眉を下げ、悲しそうな表情をする彼女に波留は戸惑う
「え、あ、いやっ‼そういう事じゃなくて…」
「そういう事じゃなくて?」
首を傾げて波留に迫ってくる彼女に小さな声で答えた
「……良すぎて腰が抜けそうになるんで…す…」
そう答えた瞬間、紫乃は顔を笑顔にさせ、波留を抱きしめる
「キャー‼聞いた会長‼今の言葉聞いた!?」
「聞いた聞いた。」
「もー、チョー可愛い‼キヨ達にはほんっと勿体ない‼」
紫乃に揺らされ、波留の意識が飛びそうになる
「紫乃、その辺で離してやれ、波留が死にそうだ」
「…おっと、ごめんごめん。大丈夫?」
離された波留は大きく息を吸うと、彼女に向かって頷いた
「だ、大丈夫です。」
「紫乃、お前は今日は何しに来たんだ?」
会長が紫乃の視点を波留から自分に写し、問いかける
すると、笑顔だった彼女の表情が変わり真剣な眼差しで会長を見た
「あ、そうそう。会長、この前言った情報が強ち間違ってなかったの」
「和嶋会か?」
和嶋会…最近よく耳にする名前だ
「そう。なんでもあいつ等、会長と交わした同盟を破るみたい。そして標的を私達に変えてる」
「……やっぱりか。」
波留はここら辺の話は解らないが、明らかに大変な事になっているのは解る
「会長も気をつけて。徐々に都会に集まってきてるから。」
「あぁ、そうする。…真尋から少しは聞いてるがどうして急にそんな事になったんだ」
「そこまではあいつ等も教えてくれなかったんだけど、予想だと去年の騒ぎかな。関西の方で清達が暴れたでしょ。それと、和嶋会が関わった事件の件かな。あの時も払いのいい奴がいて、やったって言ってたし、今回もその倍を出すって言われたらしい」
「じゃあ、その金を払ってる奴等を洗いだせばいいって訳だ…。」
「そゆこと。」
紫乃と会長が真剣な空気になっている中、波留は話しの糸が見えないため疑問ばかりが浮かぶ
「あ、波瑠くんには少し難しい話だね。…って事でこれ位で終わりにしようか」
「それもそうだな…」
会長が波留を見て微笑むと、紫乃が立ち上がった
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