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1年前 1<宮前視点>
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-1年前の冬少し前の肌寒い夜の事-
「…おう。」
黄色のビニールテープをくぐりぬけて俺は事件現場を見に行った
「あ、ご苦労様です。宮前刑事」
先にその場にいた刑事達に敬礼や礼をされながら死体の目の前に立つ
「死亡原因は?」
隣に立つ後輩刑事に尋ねると、メモ帳をせわしなく動かしながら死体の死亡原因を教える
「後ろから数刺し。そのうち2発は内臓にまで達していて即死だそうです。」
うつ伏せで倒れているそれをみて後輩刑事は残念そうに目を閉じた
「身元は?」
「天原結弦、18歳。近くのインテリアコーディネーターの専門学校に通ってる生徒です。」
(…若いのに災難だな。)
俺は両手を合わせて、黙祷をし、ブルーシートをめくる
少年の整った顔立ちは悔しそうに歪んでおり未練たらたらの顔だった
刺された箇所からはドロドロとした真っ赤な液体が流れ出ており冷たい地面を濡らしていた
「うわ、ひでぇな……。」
俺はぐっと身を引きながら、ブルーシートをかけ直すと、ビニールテープの向う側から誰かの叫ぶ声が聞こえてくる
「結弦‼ ねぇ結弦‼ 返事してよ‼起きてよ‼死んじゃ、嫌だよ‼…俺を一人にしないでよ…」
華奢なちっこい女みたいなやつだった
「こら、君っ‼︎入っちゃダメだよ‼︎」
入り口付近に立っていた警察に腕を鷲掴みにされビニールテープを越えようとするのを止めている
「やだっ‼︎離して‼︎」
その腕は物凄く細くて、今にも折れそうだった
「俺、ちょっと見てくるな…」
俺は後輩刑事に現場を頼み、ビニールテープの向う側で叫んでいる少年の元へ歩く事にした
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