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過去 家族 6<波留編>
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人を“あれ”呼ばわりする兄にギョッとするが、逆らうと何をされるか解らないので黙って頷くことにする
「…海咲(みさき)こっちにおいで。俺の弟を紹介するよ。」
海咲と呼ばれた男は兄の言葉に過剰なくらい反応を示すと、勢いよく立ち上がり足枷の鎖の限界になるまで俺達に近づいてきた
「…紹介するね、波留。此方は夜神月海咲(やがみ みさき)って言って、俺の大事な彼女。…そして海咲、こっちは俺の弟の波留。可愛いだろ?」
海咲は波留の方をチラリと見ると、悲しそうに顔を歪めたが直ぐに兄の方を見て微笑んだ
「…うん。可愛いね。雅稀…」
淡い桃色の髪を揺らして笑う海咲に兄も嬉しそうだった
波留は奇妙な2人に挟まれながら震えていると、ふいに、兄が波留の足を撫で始めた
「っ‼︎」
「…で、海咲、お前はもう用無しだから死ぬなり何なりしてくれて構わないよ。まぁ、足枷は解いてあげないから逃げられないけどね。…波留、今日からお前が俺のオモチャだよ?」
波留の傷口をなぞり足を持ち上げると、出てきた赤い液体を舌で器用に掬いながら隣に立つ海咲に突き放すように言う
(…狂ってる‼︎兄さん、言ってる意味が全く解らないよ…。解んないよ…)
涙を流しながら兄を見つめると、兄はただ波留を見て奇妙に笑うだけだった
その日は足を切られた事以外は大した事はされず、その場に波留は雑魚寝をして夜を過ごした
でも、次の日からが本当の地獄だった…
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