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海 4
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心行くまで海で遊んだ波留は真尋と紫乃と一緒にサンビーチに建つお洒落な海の家に居た
お得意様だからか席を空けてくれてあり、3人で海を見ながらお昼を食べる
「…そういえば波留くん、キヨ達と遊んだ?」
紫乃が頬杖をつきながら、もくもくと料理を食べる波留に聞いてきた
「……いや、遊んでないですよ?」
キョトンとした顔で返事を返すと、彼女は乗せていた顎を手から落とすとがっくりと項垂れた(うなだれた)
「勿体無い‼︎…折角一緒なのにー。ねぇ、真尋」
隣で腕を組む真尋に詰め寄り、同意を求めると彼は面倒そうに紫乃の頬を片手で挟む
「はいはい。解ったから、欲求不満の口を俺に向けるな」
「…いひわう(いじわる)」
仲のいい2人に笑っていると外がまた騒がしくなる
「………だって、女の子と楽しそうじゃないですか。」
外を見ると沢山の女の子に囲まれている清が目に入り、波留はつまらなさそうに目線を下げ目の前の料理をつつく
その様子に前の2人の口角が弧を描く
「真尋ぉー、これはもうチューしてもいいよねぇっ♡…波留くんが可愛いのが悪いんだもんね」
すると彼は「好きにしろ」とだけ言い、自分は笑いをこらえる様に口元を覆い隠す
「えっ⁉︎どこをどうとったらそうなっ‼︎…んっ」
紫乃の唇が近づいてき、思わず目をつむると彼女は波留の鼻の頭にちゅっと口付けてきた
「ふふっ、可愛い♡」
彼女の唇が離れると波留は真っ赤な顔を両手で覆う
「あいつらも随分と懐かれたもんだな。」
ふっと笑いながら真尋が波留に言い、紫乃もそれに頷く
「妬いてもらえるなんて本当、羨ましいわー。…それに比べてうちの弟共は考え無しにほったらかしだなんて」
(妬いてる……誰が?)
波留は目の前の2人を見て首を傾げると、紫乃はにっこりと笑ったまま身を乗り出して面白そうに呟く
「波留くん、女の子に捕まりっぱなしのキヨを見てちょっとつまらなそうな顔してたわよ?」
(俺が………?)
それを理解した途端、波留は顔から湯気が出そうになる
「あら、無意識だったのねー。…可愛い♡」
「ご、ごごごちそうさまでした‼︎」
勢いよくイスから立ち上がり、真っ赤な顔をフードで隠し逃げる様に波留は店を出た
「あらら、逃げちゃった」
「お前があんまりいじめるからだろ?」
「あらやだ、真尋さんも楽しそうでしたわよ?」
「ま、コロコロ変わる百面相は面白かったな」
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