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心配 2
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意識を取り戻した波留は念の為と言われ旅館の救護室で診察を受け、別状はないから大丈夫と診断され安心していた
「…はぁ~…、マジでビビった。」
付き添いで来ていた光樹が安心しきった表情でその場に座り込む
「心配かけてごめんね?光樹」
そんな彼の頭を優しく撫でると、彼は波留の頬を両手で挟んだ
「これからはあんな事するんじゃないぞ?…総長のあんな顔初めて見たんだから」
「あんな顔?」
波留が目を開けた時にはいつも見たく優しく笑った清がいた
「そっか、波留は意識なかったんだもんな…。顔面蒼白って言うんだっけ?そんな感じだったぞ」
光樹にしては難しい言葉を選んできた事に驚きつつも、気の抜けた声を口から零す
「……キヨが?」
「うん。ライフセーバーの人にもでっけぇ声で怒鳴ってたし。」
(……キヨが、怒った?)
全く想像がつかなかったが、彼がそれだけ心配してくれていた事に顔が緩む
「いやー、でもいいもん見れたからいっか…」
波留のにやけ顔を押しつぶしながら光樹が立ち上がると、にっこりと波留に笑顔を向けてくる
「……?」
その様子に首を傾げると、彼は小学生みたいな事を言い出す
「総長とちゅー」
「…っ‼光樹‼」
大声で光樹の名前を呼ぶと彼は一目散に逃げて行く
「あ、こら、逃げるな‼」
波留は救護室を出て行く光樹の後を追いかけた
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