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迷子 4
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李織もすっかり猇に慣れた頃
波留は持っていた荷物の重さに耐えきれず息を切らして立ち止まると、楽しく話している2人に向かって言う
「…ちょ、ちょっと休憩」
***
波留はドサリと自販機横のベンチに腰を下ろすと、肩で息をつく
「大丈夫?波留ちゃん」
李織が心配そうに顔を覗き込み、その小さな手で扇いでくれる
「……大丈夫だよ。ちょっと荷物が重かっただけだから」
頬を伝う汗を拭いながら笑顔で答えると、横からピトリと冷たい物が当てられた
「ひゃっ⁉︎」
驚きで背筋をピンと伸ばすと、猇が吹き出す様に笑う
「くくっ お前、驚きすぎだろ…」
顔を隠しながら笑う彼に、李織と顔を合わせて嬉しそうに微笑む
「…やっと笑った。」
彼女とハイタッチをかわすと、猇は眉尻を下げてまた笑った
「…ほら、お前の分も」
猇は李織に缶ジュースを渡し頭を撫でると、自分もベンチに腰掛ける
「…ふぅー……」
猇は大きく息をつき、懐からタバコを取り出すとそれを口に加えた
それを見逃さなかった俺は、すかさず猇の口からタバコを取り上げる
「子供の前でタバコを禁止。悪影響だよ」
人差し指と中指の間でタバコを挟んで彼に伝えると、猇は苦そうな顔をして波留を見た
「……お前は母親かよ。」
そう言いながらも素直に聞いてくれたのか、波留の指の間からタバコを抜き取り、それを元の箱に戻してくれる
「李織ちゃんに悪影響は及ぼさせません‼︎…ねー、李織ちゃん」
にへらと笑って言うと、彼女は不思議そうに波留を見てきた
「……んじゃ、口寂しさを補いますか。」
波留は何で口寂しさを補うのか気になり彼の方を向くと、いきなり唇を重ねられる
「んむぅっ⁉︎」
口内を猇の舌が一周すると、何事もなかったかの様にパッと唇を離された
驚きのあまり口を開けたままにしていると、彼は波留を見てニヤリと笑う
それを見た李織は首を傾げてこう言った
「ラブラブなの?」
その一言にギョッとする
「い、李織ちゃん?…これはね、えっとー…その…」
「波留ちゃん、虎のお兄ちゃんとラブラブなの?」
波留は改めて子供の純粋さが憎くなった
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