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ダーツ 1
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親子と別れた後、波留と猇は丁度前を通りかかった清達と合流した
荷物は先程よりも数個増えており、紫乃自身も自分で腕から袋を下げていた
「2人とも迷子ちゃんは見つかったのかしら?」
目の前で手を振られ、ハッと我に返ると波留は紫乃に駆け寄った
「紫乃さーん…」
「あらあら、どうしたの?」
波留の頭を愛おしそうに撫でてくれる彼女に涙腺が緩みそうになる…というよりも、もう緩みだしていた
「………ライバル出ちゃいました。」
その一言に紫乃は猇と波留を交互に見る
「ライバルでちゃったのかー。」
そんか波留の背中を彼女が何度かさすると、耳打ちで「ダーツバーに落ち着いたらいらっしゃい」と言ってくれた
「………?」
***
波留はその後、荷物持ちをし終えると1日目と同様に温泉に浸かり、旅館の料理を食べた
美味しかったし、温泉も気持ち良かった
そして、紫乃に言われた通り落ち着いた波留は彼女の言っていたダーツバーへと向かうことにする
(ダーツバーってたしか……)
スリッパのパタパタという騒がしい音を鳴らしながらロビーを歩く
1人で歩いているから少し心細いし、1歩間違えれば迷子当然
(…広いんだよ‼︎この旅館‼︎)
半ばムキになって旅館内を歩くと一角だけ全く雰囲気の違う場所があった
(あれかっ‼︎)
よく目を凝らしてみるとバーカウンターにダーツの台が何台も並んでいる
あそこだと確信を持ち中へと足を運ぶ
辺りを見渡すと、波留なんかが居る様な雰囲気の場所ではない
言わば大人の雰囲気ってところ…
「波留くん、来たわねー」
波留は誰かに名前を呼ばれ、その方向へと顔を向けるとカウンター席に座る紫乃がいた
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