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お土産
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帰りにアジトにより、仕事で行けなかった部下の人達にお土産を渡し、あれこれ聞かれながら波留達は家へと帰った
着いた頃にはすっかり夕方になっており、部屋の色を茜色に染めていた
「ただいまー。」
玄関に靴を脱ぎ、広いリビングに立つと見慣れた部屋に安心する
(……二日もいないとなんだか久しぶりな気がするな…)
すぅ…と息を吸いこんで落ち着く
「なんか、久々って感じだねー。」
清も同じ事を思っていたのか、波留の後ろから手を回して言う
「お前ら帰ってくるなりそれはやめろ。」
猇は会長にもらった手土産や、荷物を置きながら険しい表情で溜息を吐く
「またまたー、猇だってギューってしたいんでしょ。」
「お前じゃないんだから…。それよりも、これ…どうするんだよ」
荷物の中から小さな袋を取り出し、清に見せる
「あ、忘れてた…。波留 あれね、俺達から波留にお土産っていうかプレゼント」
清の言葉に思わず波留は抜けた声を出してしまう
「ぇ…?でも、俺、二人にそういうの買ってないっていうか……」
「いや、お前からはもう貰ってるからな。十分すぎるほど」
「そうそう、波留からは毎日貰ってるからいいの。」
そう言うと波留から手を離し、猇の持ってる袋の元へと歩み寄る
(二人に……毎日?)
彼の言葉の意味が解らず首を傾げると、二人して波留を見て笑いだした
「あははっ‼ …あのね、俺と猇は…波留が毎日楽しそうに笑っていてくれるだけで十分すぎるほどのプレゼントなんだよ」
はにかんで白い歯を見せながら言う清と眉を下げて少し恥ずかしそうに笑う猇にうっすらと涙が出そうになる
「あらら?…反応なし?」
自分にこんな事を言ってくれる人がいるなんて…
嬉しくて仕方がなかった
「…ありがとうっ‼」
波留は涙を流さず、満面の笑みで笑うと二人に飛びついた
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