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お盆
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皆と旅行に出かけてから少し経ち、世間は夏休み中盤にはいっていた
波留はいつもと変わらず、部下の人と一緒にアジトで仕事をしていた
そんな中すれ違う皆に聞かれる事は、耳についたピアスの事
「お、波留ー。ピアスデビューってやつか?」
「やーん、キヨと猇と同じのつけてるー♡」
「開ける時痛くなかった?大丈夫?」
と、様々だ
聞かれる度に嬉しくて、つい両頬が持ち上がる
一緒に書類を持っていた部下の人に肩を小突かれたが、笑って許せてしまう
2人がくれたプレゼント
窓に映った自分の姿を見てまた微笑む
「……そういえば、もうすぐ御盆だな。ぼちぼち墓参り行ってやらないと…」
書類を持ち直し、部下の人が遠い目をして言いだす
「……そうですね。」
(父さんの墓…行かなきゃ。)
地元に建てた父親の墓を思い出すと同時に結弦の事も思い出す
(……結弦のお墓、俺が行ってもいいのかな。)
あれから、半年は経った…
自分が殺してしまった最愛の友人
ぼーっと、結弦の事を考えていると
「……なにしけた顔してんだよ‼︎」
彼から見たら相当萎れた顔をしていたのだろう
背中を勢いよく叩き、髪を乱暴に撫でられると、思わず驚きで肩をすぼめる
「迷ってんなら行ってやれよ。…そいつもお前に会いたがってるかもしれねぇだろ?」
その言葉に少しだけ勇気が持てた気がした
「……そうですね。」
やんわりと笑顔で頷き、波留は気を引き締めるために資料を持ち直すと仕事に戻る
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