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バイト先 1
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いつ墓参りに行こうか迷っていた波留は、急遽バイト先に手伝ってほしいと言われ2人に声をかけてからバイト先のカフェに向かった
バスや電車を乗り継いでバイト先へと向かう
最初は慣れず、2人に送ってもらったりしていたが今では1人でもスイスイ行ける様になった
(……手伝ってほしいなんて珍しいな。)
波留の働いてる場所は街中にひっそりと佇む小さいカフェだ
そんなに人手が必要な場所では無いが、行き着けで来るお客さんやたまに芸能人が隠れ家としてお店に来てくれる
ショルダーバッグを掛け直して、静かな住宅地を歩く
そして、店の前まで来ると扉を押して中へと入った
「こんにちはー。」
左右に首を動かしてマスターを探すと、厨房から顔を覗かせる老人の姿が見える
「波留くん、こっちこっち。」
「マスター、手伝って欲しい事ってなんですか?」
波留は手招きをされ、厨房の奥へと入っていく
レジで働いていた先輩に挨拶をすると、久々に来たから嬉しいのか笑顔で返してくれた
厨房の奥へと入った波留は、マスターに頭のてっぺんから足先までをじーっと見られる
「……え?どうしたんですか?」
その視線に首を傾げると、マスターは笑って波留の頭を撫でた
「少しはマシな暮らしをしてるみたいだね。…来た時は痩せ細ってて疲れてたのに、今はとっても健康そうだ。良かった良かった」
くしゃりと顔のしわを何本も作って笑うマスターに波留も笑顔を向ける
「今、とっても幸せなんです。…こんな俺が幸せでいいのかなって思うくらいで…」
「ほー、青春ってものか。…こんなだなんて言うもんじゃないよ。波留くんはとってもいい子なんだ。だから、なんでも自分で背負う事が多いんじゃないかな?」
鼻の頭を指先で押され、鼻が少し潰れる
「…ほれ、波留くんに手伝って欲しいのは試作品の味見なんだよ。」
そう言うと鼻をかるく抑える波留の目の前にカフェで出すのだろう、新作のパンケーキやらパフェなどを見せてくれた
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