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長野 2
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「……ついた。」
波留は沢山立ち並ぶ墓を目の前に息をついた
「わ、凄い数のお墓だね。」
「うん。探すのが大変って思う位で…」
そう言いながらも、真っ直ぐ父の墓に向かう
(ただいま、父さん。)
***
数分歩くと、自分の父の墓の前で立ち止まる
「……あれっ?」
父の墓には花と線香が備えられてあった
「誰か来てたみたいだね。」
横から顔を覗かせながら清が首を傾げた
「……もしかしたら、叔父さんかな?」
「叔父さん?」
聞き返してくる清に波留は頷き説明をする
「そう、俺の父さんの弟の貴幸(たかゆき)叔父さん。…もう来てたんだ。」
随分早いなとは思ったが、気にせず父の墓を綺麗にし、塔婆立を立て花と大好きだった食べ物を小皿に乗せて添えた
「それ、美味しかったやつじゃねーか。」
「きゅうりの浅漬けだ。波留、もって来てたんだ。」
「2人とも俺に黙って食べたのっ⁉︎…もー。」
父は浅漬けが好きだった。
父と2人で暮らしていた時に波留が作り何度も美味しいと言って笑顔で食べてくれた
言わば思い出の品でもある
(父さんの大好きなきゅうりの浅漬け…美味しいって言ってもらえた時、結構嬉しかったな…。)
「あと、これも添えて」
清はそう言うと、缶ビールを開けて浅漬けの横に置いた
「つまみじゃねーか、これじゃ」
猇が煙草を加えて笑いながらツッコミを入れてき、3人で納得して笑いが起こる
「んじゃ、波留のお父さんに自己紹介しなくちゃね。」
線香を取り出し猇から火をもらうと、波留達は
香炉に線香を入れ手を合わせた
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