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兄妹 2
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「えっ、叔母さんっ⁉︎」
置き去りにされた波留は目の前の彼女と2人きりになる
「……いいなー、波留兄ぃのおっきい目。私もこれくらい大きければなー…」
楓が初めて波留と交わした会話はこれだった
「うぇっ⁉︎お、俺の目?」
「うん。久々に見るとやっぱり大きいなーって思ってさ。てか、波留兄ぃ縮んだ?」
両頬を挟んでいた手を離し、今度は波留の頭の上に手を置くと背比べを始める
「……縮んではいないんだけどな。楓ちゃんが大きくなったんだと思うけど…」
「ちなみに身長は?」と聞くと彼女はさらりとと答えてくれた
「164。…波留兄ぃは?」
「4センチ下です。はぁー…」
解ってはいたが、自分の身長を言うと悲しくなってしまう
「あははっ‼︎…私、波留兄ぃぬかしちゃったの‼︎」
ぬかしていたことが面白かったのか、楓はお腹を抱えて笑いだす
「わ、笑わないでよっ‼︎…ちょっと気にしてるんだから…」
むすっと頬を膨らませて彼女に言うと、リビングから清と猇が顔を覗かせた
「波留ー?何やってるのさ、いないと落ち着かない…」
「あははっ…っ‼︎」
笑っていた楓も2人を見た途端、笑うのを辞め今度は波留の肩を掴む
「……誰っ‼︎波留兄ぃっ‼︎ 誰なのっ‼︎あのイケメンさんっ‼︎」
(相変わらずのイケメン好き…)
思いっきり揺すられガクガクと揺れ動く波留はか細い声で答える
「お、叔母さんが言ってた2人だよっ…あ、あまり揺らさないでぇ…楓ちゃ」
止めようとする前に楓は波留から回答をもらうと揺するのをピタリと辞め、波留を離すと2人に駆け寄った
「波留兄ぃの従兄妹の成宮楓です‼︎波留兄ぃがいつもお世話になってます‼︎」
可愛らしい笑顔を向けはっきりとした話し方の彼女に不思議そうに返事を返す2人
波留は揺れ動く視界の中でそれを黙って見ていた
(…この感覚、久しぶりに体験したかもしれない。…ぅわ、倒れそ)
楓の癖に懐かしんでいると、ついに波留の視界が上向きになりだす
(あ、やばっ…)
思わず目をつむって、身体に力を入れるととっさに横から誰かに支えられた
「…ぅおっと、波留兄ぃ何倒れそうになってるの?…ていうか、なんでうちに居るの?」
「ぁ…柊(しゅう)くん」
支えてくれたのは楓の兄の柊だった
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