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柊の部屋 2
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「お、俺に?」
別に勉強が出来ないわけではないし、ある程度は頭にまだ残っている
「だって波留兄ぃ勉強できるでしょ?センター試験の勉強教えて欲しいんだよね…」
柊は扉のノブに手をかけて、波留に笑いかけると扉を開けて部屋の中へと俺を招き入れた
「…そ、そう言われると断りずらい」
センター試験…柊がもう高校三年生なのだと改めて感じる
柊の部屋へと入り、辺りを見渡す
青と白でまとめられ、とてもスッキリとしている
「あまり見ないの。きったないんだから」
「参考書いっぱいあるね。…ちゃんと勉強してるんだ。」
感心しながら一人で頷いていると、柊が出ているミニテーブルに道具を移動させ波留を横に座らせた
「…で、何処が解らないの?」
彼の方に身を寄せて参考書やノートを覗くと、少しだけ柊の身体が跳ねる
「えっと…ここ、ここの数式」
いかにも引っかかりそうな数式に「あー…」と理解した声を漏らす
「ここは…ここの数式の応用で、こうする。んで、一個できたらもう一個の数式を…」
参考書を使いながら、問題の解き方をできる限り丁寧に教えていく
「……あ、だからこうなるのか。」
波留の説明でわかってくれたのか、柊のペンがスラスラと数字を連ねていく
「そうそう……」
ノートを眺め間違ったいないかを確認しながら波留は頷く
「…ん、ここはそうじゃないよ。」
指摘した部分はよく勘違いする凡ミスの場所だった
「え?そうなの?」
「うん、俺も何度かここで引っかかったから…」
へへっと恥ずかしそうに笑うと、柊は意外そうな顔を見せた
「…波留兄ぃも、間違えてたんだ。ここの数式」
「うん。結構引っかかりやすいみたいで、高校のクラスでも皆引っかかってたんだよね」
そう言うと、波留はきちんと解説をしてあげる
「……皆、か。」
そうぼやいていた言葉は波留には聞こえなかった
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