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柊の部屋 5
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柊は相変わらず波留の手を解こうとはせず、ただ痕のついた身体をじっと眺める
「俺さ、昔から波留兄ぃの事…」
そこまで言いかけると、柊は口を固く閉ざした
「…しゅ、うくん…?」
その時一瞬だけ、目の前の彼が合わせていた視線をずらす
……柊は何かを心の奥に隠したのだ
すると、入り口の方向から聞きなれた声が聞こえてくる
「……それ以上やったら、怒るよ。」
「っ‼︎キヨっ⁉︎」
清は部屋の扉に寄りかかり腕を組んでこちらを冷たい視線で見ていた
「…聞かないって言ったらどうする?」
柊は何時ものように調子の良い声で返事をすると、清も何時もと変わらないトーンで話す
「お前に波留が抱けるわけないだろ。…拒絶されるのが怖い子供(ガキ)のくせに」
(…キヨ、相当怒ってるな。)
口の悪い時は彼が怒っているという証拠でもある
「はっ?…別に怖くなんかないですよ。てか、俺が怖いだなんてどうしてあんたに解るんだよ」
「…波留に似て顔に出やすいんだよ。目の前にいる波留に手を出したら自分はどう思われるんだろう。とか考えてたんじゃないの」
「…‼︎別に思ってないし」
「じゃあ、とっとと犯せばよかったじゃねーか。」
清の後ろから猇が顔を出し、とんでもない発言をする
「はぁっ⁉︎お前らがそれ言っていいのかよ」
「猇、それ言い過ぎ。…でも、それが出来ないって解ってて言ったんでしょ。」
猇の胸板を軽く小突きながらそう言うと、猇はただ黙って頷いた
「…ん。なら異論はなしだな」
そして清が大股で波留の目の前までやってくると柊を自分の上から退ける
「ほら退いて。……あーぁ、また泣いちやって…。怖かったよね、ごめん。いつもすぐに来てあげられなくて」
彼は波留を起き上がらせると、目元を指で撫でながら優しい声で慰める
「……ぅぅ」
波留は無意識に清の首にしがみつき安心感を求めた
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