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子供 2
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斗真連れていかれた場所は、施設横の小さな野原だった
そこには波留が貰った白い花がいくつも咲いており、野原に色を差していた
「ここ?」
斗真に波留が尋ねると、彼は素直に頷く
「へぇー…こんな場所があるんだ」
感激の声を漏らすと、嬉しそうな顔で斗真が言う
「…ここ、僕のお気に入りの場所」
「斗真くんはこういうところ、好きなの?」
野原の真ん中に腰を下ろしながら聞くと、彼はニッコリと笑顔で波留を見る
「ここね、院長先生が教えてくれた秘密の場所なんだ。…だから好き」
そう語ると、斗真は草の上に寝転がった
「へぇー…、院長先生との秘密の場所か〜…なんだかいいねっ」
でも、自分のお気に入りの場所を自分に教えてもいいのだろうかと考えていると、斗真は波留の名前を呼んだ
「…波留お兄ちゃんはなんだかあったかかったから…教えても大丈夫って思ったの」
その言葉には波留も感激だった
「ふふっ、嬉しいな」
暖かい日差しが差す野原に波留も自然と安心する
(…ここは斗真くんにとって、大切な場所なんだろうな)
チラリと目を向けると、案の定斗真は幸せそうに寝転んでいた
そんな斗真がなんとなく愛らしく思えた波留はその頭に手を伸ばす
そして、ゆっくりと優しく斗真の頭を撫でると、驚いた様な気持ち良さそうな顔を斗真はした
「…ん」
目を瞑り、肩をすくめる斗真はまるで子猫みたいだった
(可愛い…)
施設内や、広場の方で楽しそうな声が聞こえる中、波留と斗真はゆったりとした時間を過ごした
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