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09 翔希side
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「神威さんは、しばらくくすりを欲する自分と戦い続けなければいけません。これを乗り越えて、前に近い状態に戻れるでしょう。ですから、周りの方々の助けを必要とします。どうか、気を使ってみててやってください」
医者はそう言っていた。
医者が言っていたのは、このことか。
必死でくすりを求めて、探している。
何度も手を伸ばし、ダメだと言い聞かせるかのように自分で手を引っ張り込む。
戦ってる。俺にもできることをしてやりたい。
「もうここに来るな」
本心じゃないってことくらい分かる。
ずっと見てきたんだ。
俺がどこにも行かないと思って、言ってる。
今度は、自分の意志で、告白されて驚いている輝の唇にキスした。
ベッドのきしむ音がする。
輝の、くすりを求めたために荒くなった吐息が聞こえる。
抵抗されると思ったのに、されない。
「神谷・・・」
「ん?」
「・・・こんな僕で、いいの?」
「おまえが、輝がいいんだ」
消えてしまいそうなか細い輝の声を耳元で受け止め、優しく抱きしめた。
強く、ぎゅっとしたかったけど、輝の身体は壊れてしまうんじゃないかと思うくらい細くて。
輝の手が遠慮がちに俺の背中に回るのがわかった。
「大好きだ、輝」
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