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何コイツ。
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「よぉ。」
家を出たら、金髪のド不良に絡まれた。
「無視すんなよ、伊織。」
というのは、半分嘘で半分事実。
金髪で、ピアス大量で、八重歯を出して笑う僕の幼馴染。正直、太陽の光とお前の金髪で眩しい。無視すんなってお前な...中学2年以来話しかけられる事がなかった幼馴染に、しかも高校に入ったら不良デビューした幼馴染に急に挨拶されたら焦るだろ普通。
「何んだよ、うさぎ。」
「うさぎじゃねぇし。」
「いいじゃん、うさぎで。」
「うさぎじゃなくて、或兎だ!!」
「はいはい。で、何。」
小学校の頃は、あんなに可愛かったのに。茶髪で虐められっ子でいつも僕の後ろに隠れてたくせに...うさぎの人形を持って。それが何で、金髪の不良になったんだ。何処で一体道を踏み外したんだ。
「幼馴染に対して、その言い方ないだろ。」
「...家出て、不良に絡まれる僕の身にもなれ。」
「不良って俺の事かよ。」
「お前以外に誰がいる。」
「...ちっ。ほら、学校行くぞ。」
...何したいんだコイツ。てか、何でお前と一緒に行かなくちゃいけないんだよ。久々に話かけられて、何かと思ったら一緒に学校に行く?は?何それ。お前、いつもバイクで通ってるくせに今日は何で自転車なんだよ。しかも、それ僕の自転車。
「さっさと乗れ、のろま。」
「うっさいわ、泥棒。」
渋々と、自転車の荷台に乗る僕もそうかとは思う。でも、時間がないから仕方ない。真面目な僕は、遅刻なんて1回もしたことない。今まで低血圧の僕が頑張ってきたのを、今ここでこのクソな幼馴染にぶち壊されるのは勘弁。あー、涼しい。漕がなくて良いと楽だな。しかも、この猛暑の日は特に。
どういう風の吹き回しなんだか。
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