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変化
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もう一度言おう。
ブリーチしっぱなしなの?って聞きたくなるぐらい傷んだ金髪、光に照らされてナイロンみたいに見える。髪質に関しては俺も人の事言えないけれど、寝起きだからか俺よりひどい。
髭。なんだそのヘンテコリンな髭。剃れよ!!っていいたくなるような、髭。似合ってないし。つーか、そんなピアスつけてたっけ?右耳に開けられた三つの穴、そこに刺さってるピアスもなんか、ヤンキーこじらせてるっぽくて似合ってない。つーか、なんか全体的に………
「小汚くなったなアンタッッ!!!!」
ビシッと指を指して率直な感想を述べた。いや、あの、まじ、なんか、全然似合ってねーーーーーー!!
最後に会ったときのほうが数億倍かっこよくみえたっつーの!!ひでーよ今の姿!!「えッ!?」とかいって驚いてる顔してるけど、びっくりしたの俺のほうだから!!
「何その頭!!なにその髭!!超笑える!!」
もはやウケるレベルだった。なんど見返しても似合ってないしなんど見返してもウケる、腹を抱えて笑うと不満そうな顔をされた。まって、腹痛いわ!こいつに何があったんだよ!イメチェン?イメチェン?ミスってる〜〜〜〜!!!
「違うだろ!!格好良くなっただろ!!なあ!!」
「全然格好良くねえから!すげー小汚い男だから!」
何度も「いや!俺はかっこいいはずだ!ワイルドになったはずだ!」と、勘違いもいいとこなことをいう大輝に否定の言葉を述べる、ぎゃあぎゃあと騒いで背中をバシバシと叩きあった。
「なんだよ恋かよー!!引っ越して来たのかよ!!」
「恋かよとは何だよー!こっちだってびっくりしたんだからなー!」
いや、冗談抜きでびっくりした。
引っ越し先の隣に、知人が住んでいたらそりゃあもうびっくりレベルは100だ。そのうえにこの豹変ぶりを見てしまったら…ぶはっ!!!やっぱウケる!!
さっきまで、この東京でどうやって生き抜こうかと不安に思っていた。もう、それはそれは不安に思っていた。が、隣の部屋に住んでる関わりたくない人、が、知り合いの男だと知ってしまったら心強い。
「ってか、どこ住んでんのかなーとか想ってたらここだし!!隣だし!!いつ飯奢ってもらえるかなーとか想ったらすぐに奢ってもらえそうなとこいるし!」
ま、ぶっちゃけ、バタバタとしていて大輝の存在なんか忘れてたんだけど。今思い出したわ、メシ奢ってくれるって言ってたこと。連絡する手間が省けた。家が隣ならこれからも押しかけたって問題はないだろう。
「びっくりしたのは俺だっつのー!何だよ隣かあ。まあ、奢るのはあれな、余裕できたらな」
「えー!!今日奢れよー!」
「今日ー!?つーかはい、引っ越しあいさつちょーだい」
「なにそれがめつッ!!」
「いーじゃん。なにくれんの?蕎麦?」
「そんな金ねーから!!300均のタオルだから!」
「は!?やっす!!いらねー!!」
はーー!?わかってねぇな、タオルの重要性をさぁ!
金欠なんかな、約束どおりメシをたかると「えー、バーガーとかでいいー?」と、言われた。
「やだー!!もっと高くて良いもんにしろー!せっかく東京来たんだからシャレオツな店連れてけよー!!」
「いかねえからそんなもん!」
なんだ、いかねぇのか。
東京にきても並愛に居た時となんら変わりない生活をしているらしい。おいおい、俺よりオニーサンなんだからその辺はオニーサンの余裕をみせて欲しかったぜ。ぶーっと唇を尖らせると、一瞬困ったような、呆れたような顔をした大輝。すぐににかっと笑って
「じゃー、今日なんもねえからちょっと高いのくらいだったら奢ってやるよ」
と言った。うん、その笑顔は半年前と変わらない、かな?
半年で人間というものは変わるんだなぁとしみじみ思う。庄司くんと古賀も、そして…俺と、愛も。
あーー愛のことは、今はナシ!!ナシ!!ブンブンと首を振ると「なんだそれ、扇風機の真似?」と言われたので「ちっげーよ!」と言って肩にパンチ。大輝、か。正直めちゃくちゃ関わりがあったわけじゃないけど、話しやすいし明るいし、こっちまで元気になれる。
結局そのあとは昼飯をゴチってもらった。750円のラーメンだったけどな!
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