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「この辺一帯、停電みたいだよ」
腰にバスタオルを巻いただけの格好で風呂から出ると
薄暗い部屋で、律がソファに座ってアイスを舐めながら言った。
「何してんの?」
「アイス溶けたらイヤじゃん。」
ハーゲンダッツだし、これ。って
さも当然みたいな顔をする。
停電になった時、一番にするのがアイスを食べる事っていう価値観って斬新だなーと思う俺は、ホントに普通の人間で、律の自由で気ままな性格に密かに憧れたりしている。
「何か暑くなってきた。」
律の言う通り、停電するまでエアコンで冷えてた部屋が外気と同調しはじめて蒸し暑くなっていく。
「窓、開けよーか?」
「や、開けたら雨入るよ。」
俺の問いかけに律が返す。
確かに。
「りつ、手…」
律の手には、暑さで溶け始めたアイスが垂れてて。
それが何だか、やたらと美味そうにみえた。
律の横に座って、その手を舐める。
律は一瞬びっくりした顔をしたけど
すぐに、手を舐める俺を興味深そうに眺め始めた。
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