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期待してもいいの?*
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俺は家に入ると、買い物袋を台所へ置き無言のまま自分の部屋へ戻った。
母さんが何か言っていた気がしたけど、俺は今それどころじゃない。
(……なんだったんだよ、あれは!)
俺はさっきのことを思い出す。
航太の赤くて長い舌が俺の指に垂れたアイスを隅から隅まで残さず舐めとり、そのあとは切なげにそれでいて妖しく俺の指を味わうようだった。
まるで、愛されていると錯覚するほどに。
「~~~~~っ!!」
俺はなんだか猛烈に恥ずかしくなって、枕に顔を埋めた。
ねえ、航太。
俺は期待してもいいのか?
さっきの行為には意味があると。
俺バカだからさ、その気になっちゃうよ。
航太も俺のことが好きなんじゃないかって信じちゃうよ。
俺はそのまま枕に顔を埋め寝てしまった。
変な夢を見た気がする。
それは俺たちがガキの頃の夢で、俺は航太のことを追いかけているんだ。
航太は俺に「捕まえてみな。」って笑顔で言うんだけど、
どんだけ走っても航太には追い付けなくて。
とうとう航太の姿は見えなくなってしまった。
俺は立ち止まって、ただひたすらに泣いているんだ。
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