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そんなの、聞いてない*3
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そんなの、聞いてないよ……。
俺は何よりそのことを航太の口から聞かされなかったことが悲しかった。
航太にとっての俺は、言う必要がないと思うくらいどうでもいい存在だったんだな。
その日俺は夜遅くまで部屋からまったく出なかった。
時々母さんが俺の様子を見に部屋に来た。
ドアは鍵が閉まっているため、ドア越しにという形でだが。
『……明日、14時頃空港で航太くんのお見送りがあるらしいわよ。行かなくていいの?』
母さんが言っていた。
そんなの知るか。
大体、俺は航太にそのことを聞かされていないのだから俺が行くのはおかしいだろう。
ちなみに航太の両親は1週間ほど前に、先に東京へ旅立ったらしい。
つまり、明日は航太は一人で俺の町から少し離れた空港を使い東京へ行くそうだ。
東京って、遠すぎる。
気軽に行ける距離じゃない。
(とりあえず、風呂は入らなきゃ……。)
そう思い俺は着替えをもって風呂へ向かった。
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