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こぼれ落ちる涙*
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◇◆◇◆◇
「………ふぅ。」
風呂場に入り、シャワーをあびると俺はお湯に浸かった。
身体全体がポカポカとあったまっていく。
ずっとこの心地いいお湯の中に浸かっていたい。
明日なんてこなければいいのに。
そしたら、航太は東京に行かなくて済むんだから。
俺の頭は完全に現実逃避だ。
「…………っう……ひっく……。」
ポタポタと涙がこぼれ落ちる。
どれだけ手で拭っても、それは収まってなんかくれなくて。
俺は声を押し殺して泣いた。
航太のバカ
うそつき
大っ嫌い
そんなことを心の中で呟く。
本当は思ってもいないくせに、バカな俺はそんな悪態をつくことでしか耐えられないんだ。
「………さむ。」
気が付くと、お湯が大分冷えてしまっていた。
俺はブルッと身体を震わせる。
さすがにこのままじゃ風邪を引いてしまうため、俺は浴槽から出てシャワーを頭から浴びた。
まだ溢れる涙を隠すように。
航太への未練タラタラな恋心を隠すように。
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