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おかしな話*
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「そ、れは……やっぱり、俺が男だからか………?それとも遠距離だから?俺は大丈夫だ……!気にしない……だからそんなこと……っ」
「違う……!!」
俺の言葉は航太の大きな声に遮られる。
いきなりのことに俺はビクッと肩を震わせた。
「……そうじゃないんだ………。俺…………」
航太が罰の悪そうな顔で話す。
俺は大人しく、その言葉の続きを待った。
「…………俺、結婚するんだよ。」
航太の言葉に、俺は固まる。
……え?結婚?どういうこと?
俺らまだまだ高校生じゃねぇか。
思考が追い付いていない俺をよそに航太が話を進めた。
「……っていっても、実際に結婚すんのは高校を卒業してから。
相手はいいとこのお嬢さん。そこの両親と俺の両親が昔からの仲でさ。相手のほうに跡継ぎがいないっていうんで、小さい頃に親同士が決めたんだ。」
なんだよ……それ………。
冗談だろ……?
なんて思うけど、航太の顔は真剣で。
この話が冗談ではないことを物語っていた。
「おかしな話だよな。でも、これは事実なんだ。
俺が東京へ引っ越すのも、相手の両親があっちの暮らしに慣れておくためにも早めに引っ越したほうがいいって言うから………だから………。」
航太の顔が、更に苦しげな表情になっていく。
そんな航太の顔を見たくなくて笑っていてほしくて、今度は俺が航太を抱き締めた。
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