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うそ~ん、これ社員食堂!?めっちゃ綺麗〜。んでもって広っ!!しかもなにこの豊富なメニュー。一流レストラン並みじゃん!...行った事ないけど。
座席に座っても田舎から初めて東京来ました!
かの様なお上りさん状態で、キョロキョロと社食内やメニューを見る凪を恭司は隣でにこにこ見つめ、雅臣は正面から苦笑気味に見ている。
「おい、眺めるのも良いけど時間ねぇんだろ?さっさと決めろ」
雅臣にそう言われハッとした。
そうだ、めっちゃ仕事残ってる。こんな処で長時間油売ってたら、槇野さんに言葉の刃でスタボコにされるっ!!
楽しい気分が一気に急降下し、シュンとなる。
そんな凪を見た雅臣は、上がったり下がったり、忙しいヤツと屈託なく笑い、言葉を続ける。
「これから毎日の様に来れるんだから、今食べたいものを直感で選べば良いだろ。」
あっ、そっか。今日だけじゃないんだ。ここに勤めていればまた何度でも来れるんだ!
そのアドバイスでそう思った凪は雅臣に視線を向け、
「そうですよねっ!有難う御座います!雅臣常務!!」
とキラッキラの笑顔でお礼を言った。
凪のスマイル爆弾を投下された雅臣は、一瞬驚くも照れた様子で明後日のほうを向き、人差し指で頬をポリポリ「...おぅ、」とぶっきらぼうな返事をしたが、雅臣と凪のやり取りを少し苦い顔で見ていた恭司は徐に、ここはフライがお勧めだよ、と意図的に凪の意識を自分に向けさせる。
その一言にまんまと凪の意識は雅臣から離れ、そうなんですか?と今度はそのキラッキラの笑顔を恭司に向けた。
「じゃあ決めた!ミックスフライ定食にします!」
じゃあ、頼むねと恭司に微笑まれ、ミックスフライ楽しみだなぁ、専務優しいなぁなどと思っていたが、あ!?と思い出し慌てた。
いかん、またエレベーターの時と同じ失敗をする所だった。今度こそ、秘書として俺が!!
「私が頼んで参ります!恭司専務と雅臣常務は何になさいますか?」
と席を立ち二人に伺う。完璧だ。自分も秘書としての第一歩を歩み始めたな、などと心の中で思っていたら、
「何処に、何を頼みに行くんだよ。各テーブルにタッチパネルが付いてんだよ。ど阿呆」
と雅臣に哀れな者でも見るような目で言われた
一言で一気に奈落の底へ落ち、
「初めて来たんだから解らないよね。凪くんの気持ち、嬉しかったよ。」
と優しい笑みで恭司が掛けてくれた言葉で天空まで浮上する。
やっぱ専務優しい!格好良い! 天使!!
それに比べて常務!!あんな哀れんだ目で見なくてもいいじゃないか!!悪魔だ悪魔!きっと専務が産まれた時ごっそり良いもの持って出ちゃったから、お二人のお母様のお腹の中にはなーんも残って無かったんだな!!じゃなきゃコッチの天使とアッチの悪魔が兄弟だなんて俄には信じられん!
しいて兄弟だと納得できるとすれば.........
と雅臣を上から下へとこっそり観察。
......うん。長い手足と綺麗な容姿。以上!!!
......間違いなく兄弟だな。
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