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頭フワフワする。背中あったかい。恭司さんの匂い。
凪は、目論見通り盛大に酔っぱらってた。
痛む腰を庇いながらも恭司の前でしゃんと座っていた体勢も最早、恭司の胸に背中を預け、第三者から見たら只のバカップルの画だ。
酔いでトロンとなった目、酒のせいで時折吐く吐息が艶かしい。恭司と雅臣にしてみたら、今の凪は目の毒でしかない。
「凪、水飲めるかい?」
靄がかる頭に恭司の声が響く。斜め上を見ると恭司の綺麗な顔があった。
「......キスしたい、」
「「 ―― !! 」」
恭司の問いに素っ頓狂な事を返す凪。その顔はやたら艶っぽい。雅臣は凪の言葉に思いっきり眉を顰め、隆雄はそんな雅臣を笑いながら見ている。
「......後でね、」
「今、今〜!ねぇ、恭司さん......」
振り向いて恭司の首に手を回し擦り寄ると、鼻腔いっぱい恭司のムスクの匂いが広がった。
背中を諫めるように擦る恭司を仰ぎ見ると、困った様な幸せそうな顔をしている。こんな綺麗なひとが自分に一目惚れだなんてと嬉しくて、恭司をしっかり見つめて伝えた。
「...恭司さーん、好き、大好きぃ、 んッ、」
恭司は迷わずキスをした。良い歳した大人が気心知れた仲とは言え、人前でキスをするというのは些か戴けない気もしたが、どうにも衝動を押さえる事が出来なかった。
普段の凪からは考えられない様な欲塗れた瞳、大胆な発言や、縋りついた自分の首もとに当たる柔らかい唇と熱い吐息。そのどれもが私を煽った。抱いて尚、凪を欲する気持ちは高まる一方で、己の欲深さに少々困惑している。そこに来て凪はこんな風に私を煽る。理性など、保てる筈が無い。つい凪のニットの裾から手を入れ脇腹を直に撫でたとき、
「はい!そこまで!!それ以上されたらおじさん勃起しちゃうから。まーくんなんか怒り心頭なのにもう勃ってるし。」
隆雄が愉しそうに二人を制止する。
恭司は内心忌々しいと思ったが、そんな事は欠片もださず凪の唇を擦りにっこりと言う。
「ご要望通りに致しましたが、ご満足して頂けたかな?」
「ふふふ、はい!大満足です!」
と満面の笑みで返す凪の顔は天使の様だった。
全くこの子は。天使の顔した小悪魔だなと恭司は苦笑して凪を抱き込んだ。
「おい、凪!おまえのせいでこんなんなっちまってんだから、俺にご奉仕しろ。」
不遜な態度で自分の股間を指差し詰め寄る雅臣に酔っ払っている凪はまたもや大胆発言をする。
「 へんたーい!恭司さんのならしたいけど、常務のはしたくなーい!」
「二人共、今すぐ帰ってくれないか。」
恭司が雅臣と隆雄に頼むも、
「ぜってー無理!!今帰ったら兄貴、ぜってー凪の事抱くだろ。そう、易々抱かせてたまるかっつーの!」
「俺も泊まる!帰るのダルいし、端からそのつもりだったし〜。お預け喰らって悶々としてる恭ちゃんとイライラマックスのまーくん酒の肴にまだ飲む!」
斯くして、愉快な宴はお泊まり会in恭司宅に変更になった。
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