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テラスでそのまま恭司の帰りを待っていた凪の身体はすっかり冷えきっていた。
玄関ホールで音がし、凪は飼い主が帰って来た時の犬の様にご機嫌に恭司を出迎えに行く。
「おかえりなさい。ちょっ!?」
ドアを開けるなり恭司に抱き締められて驚いた。でも恭司の体温が冷えた身体に心地いい。
「...凪、......抱きたい、」
「えっ!!? んんっ!?」
恭司は酷く酔っていて、いつもの恭司らしからぬ荒々しい手つきで凪を玄関ホール脇の壁に押し付け、今までした事も無い乱暴なキスをした。
押さえつけられ、息継ぐ間も与えてもらえない凪の口元から唾液が流れるも、恭司はそれさえも舐めとりまた口付ける。濡れた音が玄関ホールに響き渡り、恭司がようやく唇を離すと凪は身体の芯を無くしてズルズルと壁伝いにしゃがみ込んだ。
「......ハァ、...今すぐ、抱きたいんだ、凪、」
他の言葉を知らないかの様に、抱きたいと繰り返す恭司に凪は困惑する。明らかに酔ってるけど、なんかそれとは違う感じ。
そんな凪を他所に、恭司は手を取って凪を立ち上がらせると、引きずる様にベッドルームに連れていく。凪をベッドに放って直ぐ様その上に伸し掛かると首筋を貪り、荒々しく服を剥ぎ取った。
凪の胸に顔を埋めた時、恭司はその心音の速さにハッと我に返り、仰ぎ見た凪の顔に少しの怯えが見て取れて自責の念に苛まれた。
......何をしてるんだ私は、
動きを止め、胸に顔を埋め深く溜め息を吐いた恭司を、凪は抱きしめてあやすように髪を撫でる。
「大丈夫ですよ、恭司さん。大丈夫。大丈夫だから。」
早い心音がその不安を物語っているのに、そんな事を少しも出さずに大丈夫と繰り返す凪に堪えきれず口付けた。
恭司の手つきはいつもの丁寧な愛撫とは違い、荒々しく性急なものだが、その瞳には凪を愛し、慈しんでいる事がちゃんと表れていた。
いつもより尚多く使われたローションは、恭司の余裕の無さを物語っている。酔いで回らない頭でも、凪を傷つける事が無い様に無意識でそうしていた。
「......ん、...あっ、あ、」
後孔に指を入れ掻き回す。クチュクチュと濡れた水音と凪の扇情的な姿に煽られ、恭司はその手を速める。
「 ああぁぁぁっ、あ、あ、あっ」
急速に高められていく快感に抗えず、凪が悲鳴の様な喘ぎ声を上げて吐精しても恭司はその手を止めない。
「 ...ふっ、あっ!...ハッ、...っ、まって、...ハァ、ハァ、ああッ」
凪の制止も聞かず指の本数を増やしていく。ビクビク跳ねる身体、収縮を繰返し蠢く中。どれを見てもこのまま続けたら凪が壊れてしまうと思う。それでもどうにも止められなかった。
凪の中に挿れたい。全身で凪を感じたい。
貪欲で残酷な迄に恭司は凪を欲していた。
今夜の恭司には、劣情に打ち勝てるだけの理性は露程も無い。
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