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41.俺と恋人と+1!前編
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バタバタバタバタバタガチャッ!
「枷ーーーーー!!」
「わーーーーー!!」
「わっ!!先輩どうしました!?」
「あっ……、…何か、前の…えーと……枷の………ふしだらな、関係、…の、」
「ふしだらな関係のって覚え方ちょっと酷くないオイ……!!?」
「…って、夏川先輩?何の用ですか、っていうか何で家知ってるんですか勝手に入らないで下さいてゆうか先輩家の鍵閉めてなかったんですか?」
「……ご、ごめん」
「俺は色々近所の人に聞いてったらこの家フツーに辿り着けたぞ」
「そんなまさか…」
「あーっ!あの芸能人みたいな顔のコのとこでしょーっ!?って」
「……枷ばっかいいなぁ〜」
「そこ、羨ましがるとこですか?先輩」
ーー
……
数分後!
「で、一体なんの用ですか夏川先輩。家にまで来たりなんかして」
「何だよ〜そんな威圧する感じで言わなくてもいいじゃんか〜」
「だって急に普通入って来ますか、俺と先輩が最中じゃなかったからまだ良かったものの」
「ーするかよこんな朝から!!」
「でもヤる時もありますよね…?」
「…、………」
「あっ!!なーんーだーよ!その感じやめろよー!俺も混ぜろ〜っ!」
「やめてください俺たちの仲に入る隙は一ミリ足りともありません。ですから夏川先輩さようなら」
「おいっっ!!泣くぞお前っっ、俺は泣くぞっっ!ううぅっ、」
「…か、枷…、」
「良いんです、この人は虐められて喜ぶタイプですから」
「えっ……」
「ーあっ!違う!違うよ佐山さんっっ…!そんな目で俺を見ないでっ!そんな軽蔑の目で俺を見ないで!引かないで!!お願い俺を見捨てないで!」
「…え…」
「はい、先輩に縋らないで下さい先輩を困らせないで下さい。で、何があったんですか面倒くさいからさっさと言ってください」
「…、…そ、それが俺…ここんとこ、その、年下くんに振られてから1人で、その…寂しくてだな、だから、今日だけでもいいから、一緒にいてくれないかなぁとか…」
「ーー却下」
「何でだよぉーーーー!!?」
「何でじゃないです、今日は先輩との大切な休日なんです。5日出勤あってたったの2日しか先輩とゆっくりのんびりできる時がないんです、そこにあなたが入って来られては何もかも最悪です」
「…い、いいじゃんか、2人よりも、3人の方が、人数多い方が、楽しいしっ、2倍が、さらに3倍になって、ほら、ポイントさらに倍増で、ラッキー!的なっっ?俺もお前も、おおっ一石二鳥!?、わーヤッター!的なっっ!」
「あなたはさっきから何を言ってるんですか?」
「……………。」
「俺は先輩と恋人。あなたとはただの友達。よって3人でいるのは不自然おかしい分かります?人数多けりゃいいってもんじゃないんですよ。もっと関係性を考えて物事言ってください」
「いーじゃんか〜〜〜!!今日だけなんだしさぁ〜〜〜〜っっ」
「ダメです」
「枷ぇ……っ!」
「駄目」
「ううっうっ、」
「…あ、え、ええと、…夏川さんは、ほ、他の友達とか、は…」
「…ええ…佐山さん…。…今までも色んな友達と振られた心を癒すために普通に遊んできました。ですが…、もうそんな友達も、恋人いるから、とか、用事あるから、とか言って、だんだん俺と遊んでくれなくなってきてですね」
「どんだけ遊ぼう遊ぼう言ってたんですか」
「…。…そしたらもう残るは枷のとこだけだったんです…だから…だから俺は…」
「…可哀想に……」
「佐山さん、分かってくれますかっ…!?」
ゲシッ
「ーだから先輩にそうやって触んなカス」
「っ!ひ、酷い…ッッ!!か、仮にも先輩に何てことをするんだ枷…っっ!俺はお前の先輩であってだな…!」
「ーはあ?先輩だろうが後輩だろうが気安く触んなっつってんだろこの野郎ああ?」
「………ぃや………枷……。…先輩なんだろお前……敬語を使えよ…敬語をさ…」
「ーき、今日遊んだらもうあの子のことは忘れるよっ、だから今日だけ遊ぼうぜっ?、今日だけ!ラスト失恋紛らわし遊ぼうぜ期間にするから!」
「何ですかそのネーミングセンスの無さ、絶対嫌ですよあなたの忘れるとか忘れないとかどうでもいいし俺たちには関係ないし」
「いーじゃんかちょっとくらい…!」
「やだ」
「お願い!」
「駄目」
「このとーり!」
「無理」
「お願いします!」
「さようなら」
「何でだよ!」
「また明日」
「っ何でだよ…!」
「こんにちは」
「…、はあ…っ!?」
「ーっか、枷、」
「……。……何ですか?」
「…き、今日くらいなら、いんじゃないか?、」
「…」
「、…ほ、ほらっ、なんかこの…夏川さんも、色々傷ついてるみたいだし、何か、このまま放って置くなんて、そんなの酷すぎる、っていうか、どうせ今日は、買い物行くだけだし、な?」
「…佐山さん……っ」
「……な?、枷…」
「…………」
「枷、このとーりっっ頼む…っっ!」
「枷、こう言ってるし、今日くらい、…な?」
「………………。」
ー
ウィーン
「ーて、何でラスト失恋紛らわし遊ぼうぜ期間のこの日がスーパーなんだよ」
ボカッ
「小言言うんなら帰ってください」
「何だよ痛いっっ!酷いっっ!」
「、ま、まあまあまあ…」
「こっち行きますよ。はい、先輩は横、ちゃんと着いて来てください」
「ぉわっ、な、何だよ、」
「あなたはすぐどっか行きますからね、横ですよ。離れないで下さい」
「な、何だよ」
「えっ、俺はどこいればいんだよ〜」
「あなたは後ろにでも何処にでも居て下さい」
「……え。何その差別……」
「だってあなたは部外者ですから」
「………なっ……」
「……か、枷……」
「はい、まずは野菜買いますよ〜着いてきて下さい」
「……あの、夏川さん、…後ろ着いて来て下さい…何処も行かなくて良いんで…」
「…ありがとうございます…佐山さん…」
ー
「というか、入った時から思ってたけど、ここ何かホモ多くないか?しかもタチの割合が殆ど、てかタチばっか」
「そうなんですよねぇ〜。最近本気で引っ越そうかと悩んでいます」
「あ〜佐山さんネコだもんな〜。誘われたら断れなそ〜」
「、そ、そんなことは…、」
「流されるプロですからね、先輩は」
「っ、な、何だよ…!」
「でも、俺からするとすげ〜穴場だけど」
「、何で…ですか?」
「え?だって俺ヤられたいですから」
「………」
「先輩、この人と話さない方がいいですよ。この人かなり危険だから。イってるから頭」
「ーなんっっだよお前ひでぇ!」
「あっち見に行きますよ」
「あっ、ちょっと待てよ枷、俺あっち見に行きたいわ」
「あ、俺も行きたい…かも」
「………。」
ー
「…で、何が狙いかと思えばアイスが狙いですか。ーーしかも2人揃って」
「おいっ!アイスをバカにするなよ!アイスは美味いぞ!」
「そうだぞ枷っっ!夏川さんの言う通りだっ!アイスは皆大好きだっ!」
「……何で……子どもが2人に……面倒くさい………」
「夏川さんは、どれが好きなんですか?」
「俺ですか?俺はコレとかっ」
「あ〜パピコですか!俺も好きです!」
「佐山さんはどれが好きですか?」
「俺は〜パピコも良いけど、ピノとかっ!あと苺のアイスとかっ、あっでもたまには爽やかなソーダのアイスとかもいいなぁとか!、」
「たくさん好きなものがあるんですね〜」
「だって選べませんよ〜好きなものありすぎて!」
「いや〜まさか佐山さんとこんなアイスのことで盛り上がるとは思ってなかったな〜」
「そうですね〜〜俺も思ってなかったです〜嬉しいですなんか〜」
「ーはい、キャピキャピしてないで早く選んで下さい。周りの人のこととか考えて、そしてアイスは1人一個」
「「え〜〜」」
「はい、選んで。早く」
「何だよ枷〜…」
「ケチだよ枷〜…」
「ーーさっさと選べ」
「「………。」」
ー
ピピピピッ
「2,357円です」
ガサガサ
「あ、ちょっと買い忘れた物があった」
「え、何だよまた買うの?」
「ここにいてください。夏川先輩、先輩をよろしく」
「え、…お、おう?」
「俺は子どもかよ…」
「過保護だよね〜」
「…、はぁ……」
「ーところで佐山さんってさ」
「え、あ、っはい?」
「佐山さんって、枷と付き合ってるんだよね?」
「、…まあ」
「俺、昔枷とエッチしてたんだよ?知ってる?」
ードキン
「…、……ぅ、あ、…はい…」
「そーなんだ、知ってるんだ?」
「……はい…」
「俺いてさ、佐山さん何も思わないの?」
「え…?」
「今は確かに何もないけど、昔は関係あったんだよ」
「……、そ、…それは…そう…ですけど…」
「それに、俺佐山さんと同じネコなんだよ?」
「え…?」
「あいつのこと、気を引こうと思えばできる、あいつがタチで、俺がネコなんだから、それもなくないわけ。」
「……」
「今だって、俺から無理矢理誘えば、枷も乗ってこないとは言い切れないよ」
「………な、何が……言いたいんですか…」
「何が言いたいかね〜」
「………」
「んーそうだね。ちゃんと捕まえておかないと〜、俺も何するかわかんないよって言いたいかなぁ」
「………え?」
「佐山さんはあいつに守られすぎ。…でも、もしあいつの方に言い寄るやつが現れたら……佐山さんってどうする気なの?」
「え………………………………?」
それは、佐山自身、考えたことのない言葉だった。
「どうするって…どうするって、それは……」
「……」
「……あの、夏川さんって…、…枷のこと……好き……なんですか?」
「…さぁ、どうだと思う?」
「……え?」
「ーすみません、遅くなりました」
ビク
「おせーよ枷〜」
「あなたに何でそう言われないといけませんか」
「なんだよつめたっ」
「それよりアイスは溶けるから、氷水入れないと駄目でしょう」
「あ〜そういえばな〜」
「あなたそれくらい分かって下さいよ、常識ですよ」
「へーへーすみません〜」
「まったく……。ー先輩?、何ぼーっとしてるんですか?」
「…へっ?、ぁ…、いや…」
「…何ですか?まあ行きますよ。帰りましょう」
「、う、うん」
「枷って、毎日料理してんの?」
「ええ、まあ」
「うわマジで!?すごっ、ありえね!」
「料理なんて簡単ですよ」
「マジかよ、じゃ今度教えて」
「絶対やです」
「何でだよ」
「あなた超不器用じゃないですか」
「あほ!俺だって料理の一つや二つだな〜…」
……。
ー言い寄るやつが現れたら……どうする気なの?
佐山は親しげに話す2人を見て、心臓がきゅっと締め付けられるような感覚に襲われて足を止めた。
枷の少しだけ遠い横顔に、佐山は焦燥感を覚え、ただ心臓をドクドクと、早まらせていた。
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