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56.いじめっ子の本音!
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ーー
ヒソ…
「……もしもし…ゆずき…?お前…昨日なんだったの?」
「あっっ、電話7回もワン切りしてきた元夫だ」
「…うるっせぇよ…っっ!……あれは…枷がだな……」
「あぁ、枷君ね。まあ、そんなことかとは思ったけど」
「……。…で、何だったんだよ?」
「あーそれね。実は大学でさ、今度サークルの同窓会があって」
「…はっ?…それもう聞いたし」
「あれ?そーなの?あ、あーあ。山野君かぁ〜」
「同じように誘ってきたけど、俺行かねぇし」
「やっぱそっかー…」
「何でお前は元夫を平然と誘うかな」
「えー?駄目なの?」
「…、…いや、普通に考えて色々おかしいだろうよ、今の…彼氏とか、怒ったり」
「何で離婚した人に嫉妬すんのよ、ないない。それはない」
「…いや、まあどっちにしても行かないから」
「…はぁ〜。まぁあんたは絶対行かないだろうとは思ってたけどねぇー」
「何でだよ、」
「だってあんた一度話せるようになると止まらないんだけど、初めてとか、久々に会ったな〜って人だと、途端に緊張して口開けなくなっちゃう人だし」
「ーー山野と同じようなことを言うなよ!」
「あら、山野君奇遇」
「…どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがって」
「何よ、じゃあ行くの?」
「行かないッッ!」
「ー先輩、お風呂出ました」
ピッ!!
「…電話ですか?」
「あ、あぁ〜っ、ちちちちょっと、山野から」
「ふーん」
「し、仕事仕事」
「へーえ」
「…む、向こうから、かかってきて、かかってきてだな、」
「別に何も聞いてないじゃないですか」
「…、…あ、あぁ、そ、そうか…?」
「まるで浮気でもしてる時の言い訳のように言うんですねぇあなたは」
「ー…はっ!?うううう浮気…!?し、ししししてない!してないしてないしてないッ!」
「してたら殺しますよ」
「えッッ!!?」
「相手の方をね」
「……なんだ」
「先輩には、この間のローターなんていう優しいのじゃなくて、もっと痛くて辛い一生トラウマになるようなこれぞ正に仕置きってやつをやってあげま」
「いやーーーーーーーー!!!」
「浮気しなければいい話です」
「、…するかよ馬鹿!」
「でもさっきの電話、ゆずきさんですよね」
「…、……な、…ぇ」
「先輩と言えば、ゆずきさんか山野さんかしかいないでしょ。あ、あと夏川先輩もいるか」
「……」
「そんなに怖がらないで下さいよ」
「……俺は……浮気なんて…してな…」
「はい?そんなこと知ってますよ、分かってますよ。大体あなたは浮気できるほど肝据わっていませんし」
「…、…そ、それは…よ、良かったような……イラっとくるような…」
「ーどうせ昨日、俺が切り続けてたあの電話が気になったんでしょう?」
「え?……そ、う…だけど……」
「何だったんですか?」
「…、…だ、大学の…同窓会の、誘い…」
「同窓会?それだけの為にあんなに何度もかけるんですか。あ〜あの人は本当俺たちのことやっぱ邪魔してましたね」
「、じゃ、邪魔とかそうゆうんじゃないような、」
「先輩は分かってないんですよ。あの人は俺と同じ匂いがします」
「…に、匂いってな…。それ前も言ってなかった?」
「気をつけてください。むやみにそんな、同窓会なんか行かなくても良いんです。誰かが先輩のこと、酔わせてひっ捕まえようとしてるかもしれない」
「ーそれはお前だよな。間違いなくお前がそれをやりやがったよな。真剣な顔してお前は本当肝据わってるよな」
「話を逸らさないで下さい、俺は先輩に注意をしてるんですよ」
「お前に注意をされても何も説得力ねぇわコラ!レイプ犯はお前だッッ!」
「レイプされてようがされてなかろうが、俺のこともう好きなんだから良いじゃないですか」
「よくもそんなことがペーペーと…ッッ!」
「先輩の負けです」
「畜生……っっ!」
「ほら、先輩の大好きなパピコをあげますよ」
「ーおっ、ありがとう!」
「……そういうとこがちょっと心配なんだよなぁ…」
「ん?」
「…。パピコ美味しいんですか?」
「おお、美味いっ」
「なら良かったです。大好きなパピコを咥えながら大好きなクッションも抱けて良かったですね」
「、何だよそれっ!つーか、お前も何でパピコ食ってんの!?」
「二つある内の半分をパキッと割って俺がその一つを食べてもう一つを先輩が食べてるだけです」
「それは知ってるよ…!も〜〜お前甘いのあんまり得意じゃないんじゃないの〜〜」
「先輩に困られると、不思議とこの甘いパピコも美味しくなってくるんですよね」
「ーこのどこまでもSなやつめ…!」
「はいはい、落ち着いて下さい。アイス一つで大人気ない」
「大人気なくてもいいもん!」
「あ〜ぁ。まぁ、先輩はいつでも大人気ないですもんねー」
「この野郎ッッ!!」
プルルル
「……あ」
「誰ですか?」
「昨日の…番号登録してない、高校の時の同じクラスの…」
「の?」
「すっっげぇウザい奴」
「ほーう…。そのすっっげぇウザい奴から何でまた電話が?」
「同窓会のことかも…」
「行くんですか?」
「えっ?いや、全然行きたくないしっ!つか、断りの留守電いれといたんだけどな…もう」
「……」
ーピッ
「も、もしもし…」
「あ、佐山?」
「…あの、…俺同窓会には」
「さっき留守電聞いた。」
「あ、そうですか、」
「…てーか何で他人行儀?」
「え?」
「俺のこと、覚えてない?」
「いや、覚えてますけど…」
「だったらそのですます口調やめようぜ。俺ら同年代なんだしさ」
「……、……俺、あなたのこと覚えてますけど、というか、名前とか、優等生とかで思い出しましたけど、会う気ありませんから」
「何でだよ、いーだろ。会うくらい、話すくらい」
「…俺、……記憶上ではあなたのことただの嫌味のある最低な奴としか頭に残ってませんが」
「へ〜ぇ。例えばどんな?」
「人の成績勝手に見て周りに公表したり、人の好きな人わざわざ公表したり、人の鞄漁ったり、人の睡眠を妨害したり」
「それはお前が授業中に寝てるのが悪いんだろ」
「ーだからって人の頭を後ろからぶっ叩くかよ…!」
「ぶっ叩いたんじゃない、軽くチョップをかましたんだ」
「どっちも同じだよ!!」
「だって佐山、弄ったら面白い反応してくれるんだも〜ん」
「弄ったらじゃねえ!お前完全に俺を虐めてただろ!」
「からかいがいがあるっていうか、暇だったからさぁ」
「…もう絶対同窓会行きませんっ」
「なんだよ、来いよ」
「会いたくない、あんたなんかと」
「俺はお前に会いたいけどな」
「は…?俺は会いたくねぇぞ、絶対」
「来いよ、お前が昔好きだった、高野さんも来るし、あと相原さんも来るし、それから広谷さんも…」
「ー女で釣ろうとすんじゃねぇカス!!」
「うわ〜相変わらず口悪いのな〜」
「っ、それはすいませんでしたッッ」
「でも、変わってなくて良かった」
「はぁ…っ?」
「声だけじゃなくて、普通に顔とか、見たいんだけど」
「…、……何でだよ?」
「気になるだろ、10何年も経てばさ」
「俺はお前のこと全く気にならない」
「んなこと言って」
「ーマジだよ!」
「いや、つかまじ来いよ。冗談抜きでさ」
「、…はあ?!何でだよっ!、俺は行かないんだって!行かないって何度も言ってるだろ!」
「駄目。来い」
「…、ーはあ!?」
「もうクラス全員分の人数で店予約してある。金もその人数で割って出すって言ってある」
「は……?」
「つまり、お前が来なくなると言うことは、1人がそれぞれ払う金額が高くなってしまうということだ、それを皆に伝えれば、どれだけ皆が辛い思いをすることか…」
「1人分の金くらいで大袈裟な…」
「ーみんなお前を恨むだろうなあ。家庭を持つ親とかなら尚更だぁ、たったの1円2円だとしても、失うことに変わりはないからなぁ出費が増えることに、変わりはないからなぁ……」
「、…ぅ」
「ー来いよ」
「……何でそんなに…」
「だから言ったろ。俺がお前に会いたいから」
「ー、……何で」
「お前結婚してんの?」
「…いや、前はしてたけど…」
「今はフリーか」
「え?…あ、あーいや……えーと…」
「……」
「…うーんと…」
「…ま、来いよな」
「え…、」
「ー来なくて困るのは、クラス皆だ」
「…なっ」
「じゃあな」
「あっっちょっ!」
プッツーツーツー
「……好きな人公表されてたんですか?」
「…、…き、聞いてんなよ…」
「随分仲が良かったんですねぇ、そのすっっげぇウザい奴と」
「…そんなんじゃねぇよっ、ただ虐められてただけ!あいつは俺を虐めてただけ!」
「虐めてた、ねぇ…」
「あー…それで、…同窓会…やっぱ行くし…一応」
「上手く丸め込まれたってパターンですか」
「、だってひつけーんだもん」
「…。」
「まぁ、ちょっと顔出して、さっさと帰るわ。興味ないし」
「じゃあ、俺が迎えに行きます」
「……は?」
「先輩1人で夜道を歩くなんて、危ないです」
「…俺は小学生かよ」
「じゃ、また電話しますから」
「…お、おう、分かった。サンキュ、」
ーてなわけで迎えた土曜日夜。
高校の2年次クラスの、同窓会当日。
「わ〜〜、久しぶりー!会いたかったー!」
「あー!○○ちゃん!?久しぶりー!」
「おー、お前変わったな〜」
「お前は変わり過ぎだろッッ、何だよその真面目な感じ」
「何だよ、普通だろー?」
……あーあ。予想通り面倒くせぇ…
もう早速帰りてーよ
それとなくまあまあ仲の良かった奴と向かい合って座り少し緊張気味に何とか会話をしながら、来てすぐにそれを思う。
すると、扉からどことなく見覚えのあるその人物が現れ、途端に周りの皆はそいつに向かって足を向かせた。
「わーー!篠坂君だーー!」
そう、この彼こそがーー篠坂 南。
このクラスの、所謂人気者である。
俺のこと散々虐めといて、何故皆こんな奴を好むのか…
神様は酷い。所詮はやはり、成績の良さと、容姿なのである。
ズズーッと、枷からお酒禁止令を出されていた俺は、メロンソーダのジュースをストローで無駄に喉も渇いていないのに飲んでから、ぷいっとそやつから背いてそっぽを向いた。
あーあ…早く帰りたーい……
ー
「佐山」
「あ?」
3、40分ほど経って、何と無くその場の雰囲気に慣れて割とリラックスしていた俺は、不意にかけられた声に顔を上げると、そこには篠坂南の姿があった。
「俺とちょっと飲もうぜ」
「やだ」
「何でだよ」
何でだよって…
「俺、禁止令出されてるから」
「ーは?」
言うと、ヤツは変な不思議そうな顔をして、俺を見つめた。
ぐいっ
「あっっ?!、」
「意味わかんねぇこと言わないでいいから、さっさと来いよ」
「はああ!!?」
…なんっっだよこの馬鹿力!
「ほら、座って」
「…何で俺がお前の隣に座る必要がある」
「隣に座らねぇで何処に座る。ここはカウンター席だぞ」
「じゃあ一個間開けて座るわ」
ーぐいっ!
「ーだッ!」
「ワケわかんねーこと言わないでいいからさっさと横に座れ」
「………」
「お前酒まじ飲まねえの?」
「飲んだら殺される」
「は?」
「…いや、何でもねえ。今日は飲みたくない気分なんだ」
「ふーん。そうか」
ー……
「あ、アレ見て見て」
「え?なになに?」
「あそこ。佐山君と篠坂君」
「あ〜本当だ」
「あの2人って、いっつも一緒にいたよねー」
「ん?そーだった?」
「うん、気づいて見たら、絶対一緒なの。まぁ、篠坂君が佐山君の方に近づいてたって言った方が正しいんだろうけど」
「え〜そうかなー」
「うん」
「私はただ、佐山君いつも虐められて可哀想だなぁって思ってたけどなあ」
「えー何言ってんの。あれが2人の…っていうか、篠坂の愛情表現というか、」
「え〜?愛情って、」
「私は気づいてたよ〜。皆は苛めっ子と虐められっこっていう図にしか見えなかったろうけど〜」
「ゆみちゃん、どうゆーこと?」
「も〜まだ分かんないの?あゆみは〜。だーかーらー、篠坂君は、佐山君のことただ単に気に入らなくて、とかじゃなくて、好、き、だ、か、ら、虐めてたんだよ」
「え〜何それ、あり得ないよー」
「あーあ…分かってないなぁ、これだからあゆみは…」
「もーゆみちゃんどういうことそれ?」
「まあー、私も佐山君を虐めたくなる気ー持ーちーはー分かるっ」
「ゆみちゃん、酔ってるよね…」
「酔ってなーいーよ。ほら、佐山君ってこう、すぐムキになるからさぁ、そこがたまら…」
「あーはいはい、しっかりしてね」
「あゆみっ!、私は酔ってないよっ!」
「強がらなくていいから」
「ー強がってないよ?!」
ザワザワ、ザワザワ
「ん?何か騒がしくないか?」
「……は?元々ここ居酒屋なんだから騒がしいだろ」
「いや、そうなんだけどさ、何かまた一段と騒がしくなったような」
「どうでも良いけどさ、何でお前は俺と2人で飲むワケよ。あっち行って、大人数でワイワイ飲みゃいいじゃんよ、しかも俺メロンソーダだし」
「は?いーじゃん別に。つーかそんな仲良くないし、あいつらとは別に」
「何を言ってんだよお前は…意味わかんねぇ」
「ー本当だよ。俺、この同窓会だってまじどうでも良かったし」
「…お前はさ…性格悪りいな。さっきは皆にニコニコ〜って、してたくせに。皆お前のこと好いてるのに。可哀想だろッ」
「どーでーもいーよ、勝手に好いてんだろ」
「っ、…お前さ、そういうとこどうなの?好かれてんならさ、もっとそれ相応の態度をしろよっ、俺のこと昔だって虐めてきてさ、お前やっぱむかつくよ、嫌いだよ」
「それ相応の態度って何だよ」
「…だから、どうでも良いとか、そうじゃなくて、周りは皆お前好いてんだから、お前もこう、同じ気持ちでだな、」
「何で?俺は別に、周りに好いて欲しくてとか…そんなこと一つも思ってねぇけど」
「思ってなかったとしても、周りは好いてんのっ!お前のこと皆好きなの!」
「俺は皆に好きって思われるより、お前に好きって思われる方がいいよ」
「はああ…っ?!お前何言ってんのっ?」
「嫌いだよ。成績良くて、顔も良くて、だから俺に近寄るヤツら、皆嫌いだよ」
「は…?お前それ遠回しに自慢してる?」
「この同窓会は本当に来ないでも良いとかどうでもいいとか思ったけど、でもそれなのにどうして俺がここに来て、どうして俺がお前とこうして居るか分かる?」
「…そんなの知るかよ」
「会いたいって言ったろ」
「だから何だよ」
「俺は周りに貶されても、そうやって自分のこと棚に上げてそんな周りのヤツらかばって俺にどーのこーの言うお前の性格とか、なんだかんだ言って悪口言いながらこうして大嫌いな俺の横にちゃんと居て話し聞いてくれるとことか、俺お前のそーゆー優しいとこが、好きっていうか」
「……は?…何を言ってんのお前。」
「つまり、つまりアレなんだよ、こう…確かに虐めてたかもしれんが、あれは裏返しでな、子供心の何とやらというか、…いや、俺も別にずっとお前を想ってたわけじゃないんだけどな、やっぱりこう、心の何処かではまだ残ってたというか、だから今日会いたかったというか、」
「……お前……何言ってるかサッパリ分からん」
「でも今日会ってやっぱりって思った、全然変わってないし、ハッキリ言って背も変わってないし、何か前より可愛くなった気がするし、俺全っ然お前イケるよ、あの頃は男同士だしとか色々思ってたけど、でも今は全然そういうの全く考えなくても大丈夫っていうか、今なら俺全然お前のこと」
「ー………は?……何の話をしてる?お前は……」
「…いや、つまりだ。…つまり、だから、だからつまり、だから俺は、…俺はさ、…佐山…」
「……ぁ、ぁあ…」
「…俺、本当はずっと佐山のこと…」
「…うん」
「本当は俺、お前のことが……」
「…」
「……………俺…………ずっと……」
「……。」
「…………ずっと………」
「…………」
「…………………」
「……。」
「………………ずっと…」
「………」
「………すっ」
「ーーーはい。そこまで」
……え。
「あ」
「…あ?」
「……か、せ…」
「かせ……?」
「「きゃーーーーーー!!」」
ビクぅッ!?
「このイケメン誰ーーーーッッ!?」
「えっっ?!イケメン…?!イケメン何処ォ……!?」
「篠坂君よりカッコいいよー!」
「えええええーーーー!?」
「わぁああああ本当だーーーー!」
「この人誰ぇーーーー!!?」
……ぁ……あ……あ……れ……
「いや、ちょ、…いたっ、…ぉ、押さな……あっっ!?、ちょっっ痛っ」
「佐山っ、お前こいつ誰だよ…!つか大丈夫かよお前、潰されるぞっ」
「うぇっ、いてっっ、…何だよもうおい!」
「とりあえずここから席を立ってーー」
ーーーーグイッ
「………あ!!?」
「ーやめてください。勝手に俺の先輩に気安く触らないで」
「…ー。…は?……」
「…高校の同級生か何か知りませんが、先輩のことは速やかに、今す、ぐ、に……諦めて下さい。お願いします」
「………え?」
「……早く取ったもん勝ちでしょ?こういうのは…。先輩はもう俺のですから、つまりこれはもうあなたの想い負けです」
「は……?」
「俺と先輩の仲に入って来ないで下さい。ーー俺と先輩は、深く…深く…愛し合っていますから」
「………。…………えっ?」
……
…………て、何を言ってるんだコイツーーーーーーー!?
嵐の予感です…っっ!
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