アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
甘い時間
-
またしても、寝込むことになった俺に、アキラはいつものように謝ってくる。
「・・・許してくれよ、な?お前抱いたら、よくわかったから」
俺の心には響かないのに。
「もう、浮気はしねえよ。オレにはやっぱりお前が一番だ」
信じてしまいそうになるから、そんなこと言わないでくれ。
その笑顔を愛しいと思ってしまうから。
*****
あれから、数日経っても、アキラは新しい相手を見つけた様子もなく、家にも帰ってきていた。
寝込んでいた俺の世話はもちろんのこと、家事も率先して行い、料理は作ってくれる。俺にも優しく、体調が戻ってバイトにも行くようになれば、以前のようにバイト先への送り迎えもしてくれる。
「リョウ、好きだ、愛してる」
夜は甘い声で愛を囁かれ、最後まではしなかったが、身体中が蕩けるくらい
、優しく愛撫される。
本当は、嬉しくてたまらないはずのこの甘い時間が、恥ずかしいような情けないような心苦しさを、俺に、与え続けていた。
俺がどれだけアキラを好きでも、俺とアキラの想いは違う。
優しくされればされるほど、それを思い知らされるようで、辛かったのかもしれない。
幸か不幸か、その甘い甘い時は、長くは続かなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 259