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身長182cm
血液型A型
8月9日生まれの獅子座
不眠症で常に寝不足らしく授業中のほとんどを寝て過ごしている
だが、テストや模試ではいつも上位にいるという 順位は一桁から外れたことはないそうだ
視力はかなり悪いみたいで、目つきの悪さはそれが原因なのだろう
小中学校共に友達はおらず一人浮いた存在 高校でも相変わらずなのは見て取れる
もちろん、彼女がいたという疑いもなしだ
いろんなツテを辿って菅野クンに関する情報を集めた。
奇跡的に菅野クンと同じ中学出身の男子が見つかって、その人にも根掘り葉掘り聞いてみた。
騒がれてる噂についても検証してみたがどれも裏は取れなかった。
やっぱり噂はただの噂でしかないのだと痛感した。
情報収集する中でおもしろい事実も発見したが……それはまた今度にしておこう。楽しみは後にとっておいた方がわくわくするでしょ?
傍から観察している間にも情報は得た。
目に見えないものに鈍感で、人恋しくて、だけど外見のせいでなかなか近付くことができなくて
そんな葛藤を繰り返すうちにこれ以上菅野クン自身の心が傷つかないよう、作り上げられた虚像はひどく不安定なものに思えた。
──優しくて、脆い…
硝子のように一瞬で砕け散ってしまいそう
そんな割れものみたいな人
いつ、どこで、どんなタイミングで、なにを提示するか、どちらに先に話を振るか。
横でしゃべり続ける春野を完全放置で考え事に没頭していた。
春野の話はいつでも聞けるが、汐音と菅野クンのことは今しかないかもしれない。あたしにとっての最優先はあの二人だ。うかうかなんてしていられない。
二人にはくっついてもらわないと困るんだから。あたしの欲望のために!
ちょうどその時、廊下の方から例の二人がなにやら言い争ってる声が聞こえてきた。
聞いている側からしてみればただの痴話喧嘩にしかとれないそれは、明らかに以前と違う声色だった。
数分と経たないうちに汐音が「なにもないなら戻るよ」と言う声が耳に届いた瞬間、チャンスだと思った。
「…春野、ちょっと抜けんね」
「えっ、えっ? 昼休み終わっちゃうよ?」
「あー…サボるわ」
「ちょ、ちょっと!?」
委員長によろしく、と引き止めようと伸ばされた手をひらりと躱すと汐音の入ってきた扉とは反対側から廊下へと飛び出した。
「ちょっと、そこのオニーサン」
「もう…もうっ!
汐音くんといい帆奏といい、私を使わないでっ!!」
悲痛な叫びには耳栓をして遮断しておいた。
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