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ある程度の情報は持っていたが、初対面でいきなり汐音の話を持ち出すと怪しまれて話してくれないかもしれない可能性もあって、まずは世間話程度に話題を振ってみた。ついでに菅野クンの反応も窺いながら。
菅野クンは一度疑問に思ったことは解決しなければ気が済まないらしい。失恋したら長期間引きずってそうなタイプだ。かなり女々しい。
しかしまあ、試験で上位に食い込んでいるだけのことはある。会話のテンポが早い。頭の回転が速いんだろう。
ツッコミも鋭く、雰囲気としては春野と少し似たところがあるな。
……うん、おもしろい
やっぱり菅野クンに先に話しかけて正解だった。
汐音との関係について確信を得るためにちょっとカマをかけてみた時のあの反応。全身で「そうなんです!」って言ってるようなものじゃないか。なんてわかりやすい。
そりゃ、汐音もおもしろがって弄るわ。だって、楽しいもの。自分の思い通りの反応を示してくれるのが。
時々、想定外の言動をとるがそれはそれで惹かれるものがある。
"自分の思い通りの型に嵌ってくれない彼をどう屈服させるか"
多分、最初に汐音の心に宿った彼への感情はそんなもんだろう。
どんな接点があったのか、まだ未知なことも多い。それも二人ともっと仲良くなれば、もっとたくさんのことを知れる気がする。移り変わる人間模様は見ていて飽きない。
「んーっ、よっこいせ」
言うほど長時間座っていたわけではないのに、地面がコンクリートだったからかお尻が痛い。
「──あたしと友達になってよ?
菅野か・お・るクン」
今日得た情報に比べればこんなもの、対価でもなんでもないと思えるのだが。
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